ヤクルト・真中満監督「選手に近付きすぎるな」――コーチにも求めた自主性

2013年の借金は「26」。2014年も借金「21」。開幕前の順位予想では最下位予想が多数を占めた東京ヤクルトスワローズ。就任1年目、44歳の青年監督・真中満はそんな弱小チームをリーグ優勝に導いた。

「選手に近付きすぎるな」コーチにも求めた自主性


 トリプルスリーという大記録を成し遂げ、最近では流行語大賞も受賞した山田も、シーズン序盤は湿ったバットに苦しんでいた。

東京ヤクルトスワローズ 44歳の青年監督・真中満

その横顔は読書家として知られる。「小説の中の人間描写が、対話に役立つことがある」。湊かなえや池井戸潤の小説にハマったという

「あの頃は、山田も川端も、打率は2割そこそこ。いろいろな条件が重なって点を取れなかった」

 そんなときでも真中は、悩む選手に日々対峙するコーチ陣に対して、あえて「選手に近づきすぎるな」と指示を出していた。

「僕らが現役のときは、選手がバッティング練習をしていると終わるまでコーチは必ずそばにいた。何か声を掛けるわけでもないのに(笑)。でも僕は当時から意味がないことだと思っていました。コーチは監督の顔色を窺っているし、選手もコーチを窺う。コーチたちが『この選手を指導したい』と意思を持って練習を見ているのか、時間を持て余しているのか。その違いは大きい。だからウチの選手にはひとりで自分と向き合う練習を重視させている。もちろん壁にぶつかったときにはコーチに助言を求めますが、誰もいない室内練習場で、黙々とマシンに向き合って打ち込む時間は必要です。だからコーチ陣には『あまり選手につくな』と言っているんです。特に個人練習のときは、頼まれたら指導してやってくれと言ってます」

 真中には、指導者となるうえで実体験に裏打ちされた強みがある。ひとつは自身が苦しんだ経験だ。

東京ヤクルトスワローズ 44歳の青年監督・真中満

練習中のミーティングは信頼するスタッフに任せる真中監督(背番号77)

「現役時代、スランプになると練習している姿を人に見られたくなかった。ひとりで打ち込みたいときにバッティングコーチが来て指導されると『今はそれをやりたくないのに』と思うことがあった。僕が今の立場で言っては語弊がありますが、結局自分で克服したことが一番の強みになると思う。アドバイスは必要だけど、いかに自分で壁を打破していくか。それを含めて僕は『自主性』と言うんです」

 もうひとつは、現役引退後の真中のキャリアにある。2軍打撃コーチ、2軍監督を3年、1軍チーフ打撃コーチを経て監督に就任した。だから真中は選手の性格を熟知している。来季からセ・リーグの監督は全員40代と一気に若返るが、一歩一歩ステップアップして監督に就いたのは、真中しかいない。仲間を知る。だから信じ、委ねられる。これは組織を創るうえでの何よりの強みだろう。

 理想を追い求め、セ・リーグを制覇した真中スワローズは、来季は連覇に挑む。我々が取材に訪れた秋季キャンプの終盤はコンディショニング系のトレーニングコーチも、技術系の担当コーチも、お互いに丁寧なコミュニケーションを取っていた。この日の練習は春季キャンプで真中が理想を掲げた、各自でのウォーミングアップからの全体でのダッシュで始まった。

「自主性を謳うと、ウォーミングアップなどはいいかげんにやるものですが、ウチは各自で体をつくってから全体でダッシュをします。全力でダッシュをするためにどんな準備が必要か。結局自分で考えることに繋がっていくんです。だからピリピリしていたでしょ。選手は間もなくオフに入りますが、僕が選手に言いたいのは、監督やコーチがいるから練習をするんじゃなくて、主体性を持ってオフを過ごしてほしいということなんです。一番大事なのはオフ。秋のキャンプはシーズンの終了ではなく、来季のスタートのための意識づけだと思ってやっています」

 勝つ組織から、勝ち続ける組織へ。真中満と仲間たちのV2への戦いはすでに始まっている。

取材・文/小島克典 撮影/ヤナガワゴーッ! 再構成/SPA!編集部
― 真中式[勝つ組織の創り方] ―

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