カーライフ

自動車業界ゆく年くる年。2015年はVWショックにS660、ロードスター、圏央道開通に涙が出た

 清水草一×渡辺敏史両氏による恒例のゆく年くる年自動車放談は、今回で12回目。愛すべきクルマバカの2人が存続の危機にあるワタミを満喫しながら、2015年の自動車業界を振り返り、2016年に思いをはせる。

2016年新春自動車放談

自動車ライター・清水草一 × 自動車ライター・渡辺敏史 2016年新春自動車放談――渡辺さん、8年ぶりのクルマ購入(ポルシェ・ボクスターを1年落ちのケイマンに買い換え)、おめでとうございます! 渡辺:小っ恥ずかしい世田谷ナンバーですけど(笑)。 ――清水さんもホンダS660に続き、わずか5か月ぶりにディーゼル車の’09年式ランチア・デルタ1・6マルチジェットを購入。 清水:ひと目見た瞬間「オレのためのクルマだ!」って思ったよ。これぞ運命の出会い! ――それにしても生涯通算43台目(うちフェラーリ10台、ランボルギーニ1台)、ここ10年で19台。しかもトヨタ・シエンタをオーダー済みで納車待ちとは! 渡辺:毎年2台! 一個人としてはすごいですね。 清水:クルマ買うのって最高だよ! ――では、2015年の自動車業界を振り返ると。 渡辺:自動車業界にとって最大の事件はVWショック(排ガス不正問題)でしょうね。 清水:業界にとってはね。でも日本には該当するディーゼル車は1台も正規輸入されてないから、なんの被害も受けてないんだよ。 渡辺:日本には直接的な影響はなかったのにVWの販売が激減しているのは、完全にイメージの問題ですね。 清水:日本人は狂ってるよ(笑)。なにビビッてんだよ! 渡辺:VWの罪状は言い逃れようがなく、完全にけしからんではあるけれども、なんで日本人がここまで怒ってるんだろう感はありますよね。 清水:世界で一番日本人が怒ってんじゃないの。 渡辺:制裁金やリコール費用や損害賠償で総額2兆円だ、いや5兆円かかるかもと言われているのを聞くにつけ、16兆円の内部留保があるトヨタだったら一発で払えちゃうんだと思うと、改めてすごいなあと思いますね(笑)。 ――いまだにVWスキャンダルの全容はわかってないですけど、新車の値引きは相当らしいですね。 渡辺:新車もそうですけど、ディーラーでは新古車がほぼ叩き売りで熱いことになってますよ。 清水:今だね。いいクルマだし、日本導入車には何の問題もない。こんなチャンスは2度とないよ! ――2015年は自動運転が盛り上がりましたが、なんといってもホンダS660とマツダ・ロードスターという惑星直列級のスーパースターが登場しました。
マツダ・ロードスター

マツダ・ロードスター

清水:この2台は口じゃ言えないくらいすばらしかったね。よくぞ出してくださった! 渡辺:ほんとそうですよ。200万円なにがしで、あれだけ楽しいものが買えるのはすごい。その分、2016年が思いやられますね。 ――その後、2台とも売れてるんですか? 渡辺:ロードスターは淡々と売れてますけど、S660はいまオーダーできないでしょ。1月下旬から受付開始で納車は7月以降ですから。 ――2015年「私のカー・オブ・ザ・イヤー」を発表してください。 清水:圏央道! 渡辺:え? 清水:圏央道のメイン区間である東名高速―東北道間の開通。高速道路オタクとしての夢がひとつ叶ったんだよ! 涙が出るよ!
圏央道のメイン区間である東名高速―東北道間が開通

圏央道(桶川北本IC-白岡菖蒲IC)開通 東名高速・中央道・関越道・東北道が直結

――クルマで挙げるとすれば? 清水:S660は買っちゃったから、ロードスターかな。 渡辺:S660とロードスターは甲乙つけがたいけど、ロードスターのほうが王道だし、本筋だし、若干ロードスターのほうが上かな。 清水:オレもそう思う。ロードスターはいいものを長~く愛してって感じだけど、S660は刹那的だね。だからオレも飛びついたんだけど。 渡辺:この2台よりもまじめにちゃんとしてたのはスズキ・アルト。ただでさえ軽い先代アルトから比べると、車重の減少率は10%超えてる。自分の体重を10%以上落とすことを考えると、そのライザップ感はパンパない(笑)。アルトの軽量化技術には敬服しました。
スズキ・アルト

スズキ・アルト 84万7800円~

――2016年の注目の新車は? 清水:納車待ちがどうしたこうしたと新型プリウスの話題は盛り上がるだろうね。 渡辺:もうすでに半年待ちですから。 清水:オレはもうトヨタハイブリッドシステムには飽きたよ、アクアで。しばらくはハイブリッドから卒業するよ。
トヨタ・新型プリウス

トヨタ・新型プリウス

渡辺:アーティストでいうところの活動停止ですか(笑)。 清水:今はディーゼルにしか燃えないんだよ! 渡辺:ボクは8年ぶりにクルマ買って燃え尽きた(笑)。 清水:ホンダNSXがどうなるかくらいか。 渡辺:異次元の運動性能を見せてくれるのか、前輪でベクタリング(駆動力配分)やるんだから、まったく新しいコーナリング性能を見せてくれたらいいんでしょうけど。 清水:フェラーリ458みたいなものと思ってるんだけど。 渡辺:性能的なベンチマークは458みたいですけど、そしたらフェラーリは488になって一気に100馬力も上がっちゃった。 清水:S660は大当たりだけど、NSXは大外れかなと思ってる。
ホンダ・S660

ホンダ・S660

――2016年は消費税アップ前夜。8月にはリオ五輪。それが終わればサッカーW杯アジア最終予選が始まります。 清水:消費税再増税という非常に大きなハードルが待ってるわけだ。安倍首相が再延期してくんないかなと、ちょっと期待してるんだけど。 渡辺:景気がよくなると予定通りでしょうから、みんなで不景気にしよう(笑)。 ――あと、4月から首都高と首都圏の高速料金改定が行われます。 清水:首都高とNEXCOの料金の垣根を取っ払って統一料金にし、発着点が同じなら、どのルートを通っても同じ料金になるんだよ。 渡辺:渋滞回避のために遠回りしてルートが変わっても目的地が一緒なら料金は変わらない。使ったことのない道を走る楽しみが増えますね。 清水:一般ドライバーには娯楽が増えるね。それに2月(13日)には新東名の浜松いなさJCT―豊田東JCT間が開通する。もうみんなクルマ買ったろ? オレも買ったし、ナベちゃんも買った。だから2016は走る年なんだよ! ――ガソリン価格も下がり続けてますしね。 清水:軽油なんか90円になったよ。走らないほうがアホでしょ。自動運転になる前に自力で地の果てまで行こうよ! ――リオデジャネイロまで? 渡辺:リオ五輪で他人が走るのを見てる場合じゃないですね(笑)!
ホンダNSX

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