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2015年Jリーグ10大裏ニュース【10位~6位】 退場数歴代1位選手にパワハラ監督

 元旦の天皇杯はガンバ大阪の連覇というかたちで締めくくったJリーグ。2ステージ制でも結果を出した広島のリーグ優勝、名門・清水エスパルスのJ2降格、大久保嘉人が前人未到の3年連続得点王……といったニュースが昨シーズンは話題となった。  しかし、それと同等か、それ以上にサッカーファンの間では話題を呼んだニュースをご存知だろうか? ここでは専門誌、スポーツ紙などが取り上げなかったニュースやトピックスに着目。老舗サッカー専門誌記者A氏、大手サッカーニュースサイトで記者を務めるB氏、内外のサッカーを競技としてのみならず文化として情報発信するウェブサイト「ローカルフットボールジャパン」のオオバシュー氏の協力のもと、「2015年Jリーグ10大裏ニュース」を選出。3氏の合議のもと以下のようなランク付けを行った。今回の記事では、まず10位~6位までを紹介する。 ●10位…SC相模原の森勇介が“退場数歴代1位”の選手に  川崎フロンターレで長く活躍し、今年はJ3のSC相模原でプレーしていた森勇介。今年のリーグ戦で2回の退場処分を受け、通算の退場数は14回に。ドラガン・ストイコビッチが選手時代に記録した13回を更新して選手の歴代トップに躍り出た(なおストイコビッチは監督時代にも2回退場)。 「川崎フロンターレ時代もラフプレーが目立ち、退場が多い選手として知られていました。その後、東京ヴェルディ、FC岐阜に移籍してからは大人しくなっている印象でしたが、今年も退場2回。ファンはもとより関係者も『またか!』と呆れ気味の反応でした」(専門誌記者・A氏) ●9位…主審が試合中に選手へ差別的発言?  6月に開催されたJ2のアビスパ福岡―徳島ヴォルティス戦で、高山啓義主審が選手に対して差別的な発言をした疑惑が浮上。接触プレーで倒れ込んだ福岡の酒井宣福に「Are you OK?」と英語で質問。「大丈夫です」と日本語で返されると「なんだ、お前、日本語を話せるんだ」と嘲笑しながら応じた……とスポーツニッポンなどが報道した。 「福岡側は日独ハーフの酒井への侮辱的発言として反発し、Jリーグに文書を提出。事実確認を経て高山主審は謝罪しました。一方でJリーグは、この問題について『コミュニケーション不足が生んだ誤解』との見解を示し、高山主審への処分はなし。うやむやにされたまま終わった印象ですね」(専門誌記者・A氏) 「’14年の浦和の『JAPANESE ONLY』の横断幕については、村井チェアマンは『掲示した側の意図がどうであれ、それを見た外国人の方が差別的な表現だと受け取るのは自然なこと』という趣旨の発言をしていた。受け取る側が差別と感じたものが処分されるのであれば、この高山主審のケースでも処分があるべきでしょう。ダブルスタンダードな印象を受けました」(オオバ氏) ●8位…愛媛FCが不適切会計、Jリーグから処分  愛媛FCにおいて不適切な会計処理が発覚。’12年と’13年の決算において、クラブの元経理担当者が収入の過大計上や経費の過少計上などを行うことで、本来は当期純利益が2期連続で赤字のものが、2期連続で黒字として報告されていた。なおJリーグは「組織の直接的関与はなかったと認められる」として、処分はけん責と制裁金300万円にとどめた。 「Jリーグのクラブライセンス制度には、3期連続で赤字になるとリーグの参加資格を失うという条項があります。その状況下で、2期連続の赤字が2期連続の黒字と報告されるのは大きな問題だっただけに、『処分が軽すぎるのでは?』という声が目立ちました」(ニュースサイト記者・B氏) ●7位…モンテディオ山形社長の解任劇に“政治介入”との声も  モンテディオ山形の運営会社の高橋節社長が、11月下旬の臨時株主総会で辞任勧告を動議され、全会一致で可決。辞任勧告を動議したのは、主要株主である「県スポーツ振興21世紀協会」の細谷知行理事長(山形県副知事)。辞任勧告の理由には「J2降格などの成績不振」「選手補強の少なさ」「観客動員への努力不足」などが挙げられていたが、山形サポーターや東北地方のブロック紙・河北新報からは政治介入を指摘する声も挙がっている。 「高橋社長はクラブをJ1に上げたこと、財政を黒字化したことなどを含めて、その仕事ぶりにはサポーターからも強い支持が集まっていました。高橋社長が熱心に進めていたスタジアム建設構想を、県知事側が封印したがっていたのでは……と河北新報は報じています。この問題には、山形市長選で新スタジアム建設を公約に掲げていた知事の支援候補が敗れたことなども関係している。公の組織が関わり、かなり政治的な理由から解任劇に至ったように見えます」(オオバ氏)
モンテディオ山形社長の解任劇に“政治介入”との声も

不可解な解任劇に疑問を抱く山形サポーターは少なくないという

●6位…ロアッソ熊本・小野監督がパワハラ行為  11月、ロアッソ熊本の小野剛監督が「スタッフの一人に行き過ぎた注意をしたこと」を理由に、Jリーグから厳重注意の処分を下された。熊本日日新聞によると、「紅白戦前のピッチ整備を怠ったスタッフに対し、小野監督が「(スタッフに)顔を水たまりに近づけさせ、背中を踏み付けるなどした」という行為があったそう。 「その後クラブは小野監督の来季続投を要請したとの報道があり、『あんな事件があったのに続けさせるの?』という反応がサポーターからも見られました。結局、小野監督は続投オファーを受けず退任しましたが、理由は『成績面での責任を取って』との発表。厳重注意処分で終わってしまったことへの疑問の声は、その時も多かったです」(サッカーニュースサイト記者・B氏)  次回、ランキング1位~5位を発表。サッカー界のみならず、ネットを騒がせたあの事件も登場。 <構成/日刊SPA!スポーツ取材班>
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