普段は一流企業OL。ラグビー女子「サクラセブンズ」の過酷なラグビーライフ

 ラグビーW杯でのジャパンの大躍進により、昨年来、空前のラグビーブームが起こっている。だが、ラグビーをやっているのはなにも男子選手だけではない。現在、にわかに注目を集めているのが、7人制(セブンズ)ラグビー女子日本代表、通称“サクラセブンズ”だ。

左から冨田真紀子、中村知春、竹内亜弥各選手

左から冨田真紀子、中村知春、竹内亜弥各選手

 昨年11月のアジア予選ではフィジカルで上回るカザフスタンや中国に対し、日本は走って、走って走り勝った。そんな“サクラセブンズ”を支える主将の中村知春選手、FWリーダーの冨田真紀子選手、京都大学文学部卒の頭脳派・竹内亜弥選手の「社会人組」に日々のトレーニングから仕事のこと、リオ五輪に向けての抱負を聞いた。

――サクラセブンズは昨年だけでも年間200日以上を合宿や遠征に費やし、徹底的にチームを強化してきた。そして、その猛練習はあのエディー・ジョーンズ(前日本代表HC)が率いた15人制男子以上とも言われているが、実際どれほど厳しかったのだろうか。

冨田:一番キツかったのは、一昨年の勝浦合宿。砂浜ダッシュを含めて、ボールも持たずにひたすら6日間走り続けるっていう……。

中村:私たちは、キツい合宿のことを「〇〇ショック」って言っているんですけど、それが4つくらいあって。勝浦、菅平、熊谷……。基本合宿中は4、5部錬で、勝浦ショックの朝練は早朝5時半から。まずは高台にあるホテルから約2kmの坂道をダッシュで下って、砂浜に着いたらお互いの顔を砂に押しつけ合いながらのタックル練習。もう目、鼻、口、耳と顔中の穴という穴は砂だらけになります。

竹内:大さじ一杯分は、確実に食べてますね(笑)。

中村:あまりのキツさに、坂道でのタイムレースのときは後ろから来る車に轢かれてもいいと思ったり。勝浦行きの列車「特急わかしお」が発車する京葉線のホームには、正直行きたくないです。

――所属チームとプロ契約を結んでいる選手が多い男子とは違い、サクラセブンズは他に本業を持つ社会人や学生たちで構成されており、個性豊かな面々の集まりであることでも話題だ。中村は電通(広告代理店)、冨田はフジテレビ(民放キー局)、竹内は新潮社(出版社)の社員として働きながら、ラグビーを続けてきた。普段はどんな仕事をしているのか。また、仕事との両立の難しさは?

中村:私は当初、テレビやラジオの“枠取り”をしていました。クライアントに対し、予算に合った番組を紹介したり、あるターゲットに対してどういう番組がいいかなどを提案するのが仕事です。

竹内:私は書店周りの営業や、販促を。でも、代表に入ってからは、合宿や遠征が多くて、ひどいときには月に4、5日しか会社に行けなかった。だから、五輪が終わるまでは休職させてもらっています。

中村:私もリオまでは休職。何ができるかわからない状況で、お給料をいただくわけにはいかないですから。

冨田:私は人事部で採用や研修の段取り等をやっていますが、なかなか出社できないので、たまに会社に行くと「1か月ぶりだね」みたいな雰囲気で……。いまは五輪出場を決められたから堂々としていますが、当初は「え? 練習行くの?」という空気もあって気まずい思いをしたこともありました。でも、結果を出したことで徐々に周りも理解してくれるようになりました。

取材・文/栗原正夫 撮影/佐野美樹 再構成/SPA!編集部
― 7人制ラグビー女子日本代表[サクラセブンズ]の素顔 ―

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