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ユニクロ業績悪化の影で「GU」が本気を出した! プロが選ぶ良品ベスト3

 メンズファッションバイヤー&ブロガーのMBです。洋服の買いつけの傍ら、「男のおしゃれ」についても執筆しています。連載第58回目をよろしくお願いします。 ▼GUが本気を出し始めた
メンズファッションバイヤーのMB氏

メンズファッションバイヤーのMB氏。「『オシャレに見える』にはちゃんと理由があるんです」が持論(撮影/難波雄史)

 ユニクロの2015年9~11月期の営業利益は前年同期比で-16.9%となり、業績悪化のニュースが目立ちます。暖冬や値上げの影響からか苦戦が続いているようです。この秋冬の値上げは確かに顕著。モノのよさはさすがですが、値札をひっくり返すと「あれ? 去年こんなに高かったかな……?」と疑問に思ったこともしばしば。とりわけ節約志向にある高齢世代や、そもそもの収入が少ない10~20代にはリアルに値上げは響いたことでしょう。  そんななか、ユニクロの格安カジュアル業態「GU」が本気を出し始めました。以前まではGUの店舗に足を運ぶとペラペラのスウェットパーカーや野暮ったいデザインのコートなど、いかにも「安かろう悪かろう」といった商品ラインナップが目立ちましたが、今は「え!? この値段でいいの?」と思えるような格安良品がチラホラ。品質と値上げをアップさせてブランド化が進むユニクロとは対照的に、今までユニクロが担っていたポジションである「格安良品」をGUがリリースし始めたのです。  今回はそんなGUのオススメアイテムを3点ピックアップ。アパレル関係者が見たら、目玉がひっくり返るくらい驚くような「格安良品」をランキングで紹介します。 ▼GUマストバイ第3位「フレンチカジュアルの代表アイテムが1490円」ボーダーボートネックT(長袖) 1490円(+税) ⇒【画像】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1028092
ボーダーボートネックT(長袖) 1490円(+税)

フレンチカジュアルといえばバスクシャツーーこんなに安くていいの!?

 30~40代くらいで若い頃ファッションをかじっていた人なら「A.P.C.」や「アニエスベー」などの90年代のフレンチカジュアル全盛期を覚えているかもしれません。ボーダーのTシャツに細身のパンツなどを合わせた「キレカジ(キレイ目カジュアル)」スタイル。2014年頃から再びこの流れがファッショントレンドとしてあがってきていて、フレンチライクなボーダーカットソーやベージュのステンカラーなど昔見たあのアイテムに若者たちが群がっているのです。  A.P.C.やセントジェームスなどに代表されるフレンチカジュアルのボーダーカットソーは肉厚で耐久性も高く、形もお腹の出っ張りが出ない裾広がり。優秀なアイテムですがブランドものはやはり高い。1万円以上するものばかりで気軽に手は出せません。  しかしGUにはこんないいものが。この手のカットソーは「バスクシャツ」という名前ですが、格安ブランドがつくるとどうしてもペラペラの素材でチープな印象になります。しかしGUはセントジェームスとまでは言いませんが、かなり厚手のしっかりした素材を採用しています。実際触ればわかりますが、GUのカットソーラインナップのなかでなぜかこれだけ妙に気合が入った素材なのです(ほかは残念ながらペラっとしたものも少なくありません)。  この素材、フレンチカジュアルライクなシンプルデザイン、スリットも入れており裾広がりで体型隠し型、これで1490円(+税)は破格といっていいでしょう。厚手なのでインナーに白シャツなどをレイヤードするのもあり。年相応の良品を求める30~40代の目利きにも耐えられるアイテムです。強くオススメします。 ▼GUマストバイ第2位「トレンドのスウェットデニムが格安で!!」デニムルックスキニーパンツA 2490円(+税) ⇒【画像】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1028100
デニムルックスキニーパンツA 2490円(+税)

一見デニム、その実スウェット!

「アスレジャー」というNY発のトレンドがあります。言葉から連想できるとおり、ジャージパンツやスウェットやランニングシューズなどトレーニングウェアをおしゃれ着として使うトレンドのことです。  このトレンドを象徴するのが「スウェットデニム」素材。イタリアのデニムブランド「ディーゼル」などがほかに先駆けて数年前からリリースしています。パッと見はデニム、でも生地を裏返すとスウェット同様に起毛しているというもの。デニムのように見えるけれどはき心地はトレーニングウェア並みの快適さ、というハイブリッドなアイテムです。  この素材のメリットは「極細シルエットでつくってもスウェットなのでキツくない」というものです。伸縮性が担保できるので多少ムチャな細さでも足が入ってしまう、というわけです。  近年アローズやビームスなどの大手セレクトショップ界隈でも流通している素材ですが、まだまだ格安業態では珍しい。ユニクロもこの秋冬に初めてリリースしたくらいですが、実はGUでもこっそりと展開がはじまっていました。しかもユニクロでは黒のラインナップがないのですが、GUではなぜかある。  収縮色(細く見せる色)であり、足のラインを外国人並みにキレイに見せる「黒スキニーデニム」。「スポーツ体型でスキニーは無理」なんて人でもこのスウェットライクなデニムなら問題ないでしょう。一度試してみてください。 ▼GUマストバイ第1位「革靴が2000円台で買えちゃう」ダービーシューズ 2490円(+税) ⇒【画像】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1028101
ダービーシューズ 2490円(+税)

知られざる格安良品

 第1位は靴。去年は「ユニクロが靴生産にリベンジ!」なんてニュースが踊り、スニーカーはかなりの数が売れたようですが、こちらはどこもニュースとして取り上げていません。靴はGUのほうが明らかにいいラインナップなのに……。  しかもこちらはスニーカーではなくて革靴ライクなデザイン。なぜ「ライク」かと言われれば「合皮」だからです。いや合皮どころかポリエステルの起毛素材なので合皮とも言えません。布です。  ……しかし、これがビックリ。遠目にはちゃんとスエードに見えます。本革ではないので足なじみは悪く、履き心地はそれほどいいものではありませんが、見た目だけなら1万円以上と言っても疑われないレベル。形もオーセンティックなダービーシューズ。デニムでもスラックスでもなじみやすい形です。また鼻先を少し長めにつくってあるため、脚長に見える効果もあります。 「仕事用ではなくカジュアルで使える革靴がほしい」と思っても巷のセレクトショップで探せば安くても2万円は覚悟しなければいけません。それがGUなら2490円(+税)。確かに素材は粗悪ですが、見た目には問題なし。1年で履き捨てるとしても十分安い。オススメです。 「GUは若者向け」「安かろう悪かろう」といったイメージを持っている人は多いでしょう。私もそうでした。実際に足を運ぶと確かにそういった商品も少なくないのですが、実は埋もれた「掘り出しもの」があるのです。今回紹介した3アイテムで春のコーディネートは完成しますし、全身揃えても7000円以内という破格ぶり。ぜひショッピングのご参考に。 <文/MB>
MB
ファッションバイヤー。最新刊『MBの偏愛ブランド図鑑』のほか、『最速でおしゃれに見せる方法 <実践編>』『最速でおしゃれに見せる方法』『幸服論――人生は服で簡単に変えられる』など関連書籍が累計200万部を突破。ブログ「Knower Mag現役メンズバイヤーが伝えるオシャレになる方法」、ユーチューブ「MBチャンネル」も話題に。年間の被服費は1000万円超! (Twitterアカウント:@MBKnowerMag

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