「WEB動画戦国時代」で勝ち残るのはどこだ? 渡辺直美、志村けんなど人気タレントの番組も続々

 「テレビ離れ」という言葉が叫ばれて久しい。スマートフォンの登場により、聴きたい音楽や見たい番組はすべてその場で視聴することが当たり前になってきた。

 その変化についていこうと、昨年2015年には『AWA』『LINE MUSIC』『Apple Music』といったサブスクリプション(定額)型サービスが相次いでスタート。テレビ離れした層の時間を奪おうと、IT企業各社がしのぎを削っている。そして今年2016年には「動画配信サービス」を各社が本格的に運用開始、まさに戦国時代の様相を呈している。

LINEはタレントキャスティングに強み


「WEB動画戦国時代」で勝ち残るのはどこだ?

「LINE LIVE」ホームページより

 ブログ事業をはじめとして、各方面で飛ぶ鳥を落とす勢いを見せるLINEでは、昨年12月10日から『LINE LIVE』をスタート。著名人や企業が生放送形式の映像や番組を配信するサービスで、LINEの公式アカウントを友だち登録しておけば、生放送が始まることをメッセージで教えてもらうことができる。

 初回の目玉としてAKB48、志村けんら大物タレントを起用し、サービス開始からわずか5日間で視聴者数1000万人を突破した。今後は鈴木奈々・五郎丸歩らLINEブログを利用しているタレントとコラボして、若者のみならず、幅広い層のユーザーを囲っていく狙いだ。

サイバーエージェントは大手企業とタッグ


 一段と本気度が伝わってくるのがサイバーエージェントだ。同社の藤田晋社長も自身のブログで今年が「動画元年」と意気込んでいるように、すでに2016年下期には70億の先行投資をすることを決めている。その第一弾として1月21日にローンチされた『AmebaFRESH!』では、オリジナル番組や提携企業とコラボレーションしたコンテンツなどを配信。先日には人気芸人・渡辺直美に24時間密着した放送を行い、300万人の視聴者数を達成している。また、毎日各コンテンツを紹介していく番組に、日替わりで女子社員を起用(元アイドルの社員も出演)するなど、同社ならではの取り組みを見せている。

「WEB動画戦国時代」で勝ち残るのはどこだ?

「AmebaFRESH!」ホームページより

 そして今月2月には、テレビ朝日と手を組んだ映像配信サービス『AbemaTV』のβ版がスタート。「スマホで見るテレビ」として、ニュース、バラエティ、ドラマ、 スポーツなどのオリジナルコンテンツを有し、4月の本放送に備えている。

コンテンツだけでは成り立たない動画事業


「WEB動画戦国時代」で勝ち残るのはどこだ?

『SHOWROOM』ホームページより

 他のIT企業ももちろん黙ってはいない。大手DeNAも2013年に『SHOWROOM』という“仮想ライブ空間”をキャッチコピーとしたストリーミングサービスを開始。番組中に視聴者が画面上でアバターとなって可視化されることが特徴で、アイドルなどの配信者に対するコメントやギフトアイテムを投げ、番組を賑やかせることができる。

 またアイドルだけでなく、一般ユーザーにも放送権限を与え利用層を拡大し、2015年3月期の売上高は2億8400万円に成長。8月にSHOWROOM株式会社として分社化もされた。ただ、タレントのキャスティング力においてはLINE、サイバーエージェントより一歩劣るのは否めないため、今後の動向に注目が集まるところだ。

 『Ustream』が日本から撤退し、米国から鳴り物入りで参入した『Hule』『Netflix』も苦戦している今、コンテンツに頼っても動画配信サービスは上手く行かないことがこの日本市場では実証されている。だからこそ、日本人に馴染み深い企業が本腰を入れた動画事業が、これからどう転がっていくのか期待したい。 <取材・文/日刊SPA!取材班>

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