引きこもり“無職中年”の侘しすぎる日常に密着――社内トラブルからうつ病発症。破産&離婚に自殺未遂も
精神を病み、仕事も辞め、誰にも会わずに一人でふさぎ込む……。今、そんな「ドロップアウトする中年」が増えている。そこからなんとか再就職を志しても、昨今の雇用情勢は彼らに決して優しくはない。ここでは、ある「引きこもり中年」のケースを紹介しよう。
~横溝真志さん(仮名・52歳) 無職歴 1年4か月~
「会社に人生を狂わされた」と語るのは、20年以上働いた会社を2年前に辞めた横溝さん。上司とのトラブルで職場に居場所をなくし、妻とも離婚。今は安アパートに独り暮らしで、月16万円の失業給付金と12万円の障害年金に頼る。
「物流関係の仕事で、本当なら今頃は管理職としてバリバリ働いているはずでした。でもある日、上司が発注ミスで会社に大きな損害を出し、その責任を私一人に押し付けてきたんです。濡れ衣なのに信じてもらえず、一気に信頼を失って出世コースからも外されてしまい……。同僚や上司らの態度も露骨に冷たくなりました。常に厄介者のように扱われ、気がついたらうつ病と診断されていましたね」
妻からも邪険にされ、長期欠勤をとるたび会社からは「病気に甘えている」と文句を言われ続けた。
「味方が誰一人いない状況でどんどん自暴自棄になり、借金をしてまで外車を買ったり、月に50万以上も風俗嬢に貢ぎました。借金は500万を超え、マンションを手放し、離婚して会社も辞めた。自分の人生が虚しすぎて大量の睡眠薬を飲んで自殺をはかったこともあったけど、死ねませんでした」
偶然地方から様子を見に来た母親に発見され、一命を取り留めた横溝さん。「もう自分の過去を一切思い出したくない」と語るが、一人暮らしの部屋の隅には、物流関係の専門書や仕事の書類、夫婦茶碗が今も無造作に置かれていた。
「今は買い物と図書館に行く以外がずっと家でネットをするかテレビを見るか、という生活。失業保険の給付が6月で切れるので、状況はさらに悪くなるはず。働こうにも、障害年金2級なのでまず採用してもらえません。親は『介護をするなら年金を分けてやる』と言ってきますが、今の自分には人の介護なんて……まず無理ですよ」
2/2発売の週刊SPA!に掲載されている大特集『40代以上[無職]の絶望』では、上記のような「求職活動をしない男たち」のエピソードだけでなく「求職活動をしたけどいまだ無職な男たち」のエピソードも掲載。彼らが普段どのような侘しい生活を送っているのか、無職中年を取り巻く逆境を克明にリポートしている。また、「もしあなたが無職になったら・・・」シミュレーションも掲載。一寸先は闇なこの時代、「無職中年」は明日は我が身かもしれないのだ。 <取材・文・撮影/週刊SPA!編集部>
社内トラブルで居場所をなくし、破産&離婚。自殺未遂まで起こす
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