PL学園の現在、かつてのマンモス校は見る影なし…

 甲子園優勝7回、あまたの選手をプロ野球界に輩出してきた名門が消える――PL学園野球部問題を追い続けてきたノンフィクションライターの柳川悠二氏が“永遠の学園”をめぐる顛末を前回に続きリポートする!

教団の支えである信者は大幅に減少。マンモス校は見る影なし


教団の支えである信者は大幅に減少 マンモス校は見る影なし 野球部は3年前まで、PL信者からの寄付に頼る形で全国から有望選手を集め、特待生として無償で寮生活を送らせてきた。その信者が大幅に減少しているのだ。

 現在のPL教団の信者数は公称90万人ほど。だが、全会員に配布される機関誌『芸生新聞』の発行部数は7万部とされ、その数からも信者の実数が推し量れるだろう。かつて全国に400あった教会も今では半数以下に減っている。信者数が落ち込めば、信者の2世、3世が通う学園の生徒数も減少する。昨年のPL小学校の入学者はわずか3人で、高校も外部からの受験者が28人。競争倍率は大阪府の共学私立のなかで最低だった。かつて高校の生徒だけで1000人を超えたマンモス校は見る影もない。元教団教師が証言する。

「野球部の廃部以前に、学校が廃校になるのではないかと危惧しています。老朽化した寮や短大の校舎を取り壊さないのも、学校経営がうまくいっておらず、資金繰りが苦しいからではないでしょうか」

巨大な室内スポーツ練習場を建設中 だからこそ解せないことがひとつある。今、マスコミ対策として警備が厳重になっている教団敷地内に、学園が巨大な室内スポーツ練習場を建設中なのだ。野球部専用ではなく、他の部活動(剣道部やバレーボール部、バトン部など)も利用する多目的スポーツ施設というが、そもそも学園存亡の危機に建設する必要があるのだろうか。

 確かに歴代部員の汗が染みこんだ野球部グラウンドは3月末にも教団への返却が噂され、老朽化の目立つ室内練習場も取り壊しが決まっている。しかし現役部員が引退すれば野球部は活動停止となるのだ。野球部の将来的な活動再開を視野に入れた建設という見方もできようが、それならなぜ部員募集を停止したままなのか。屋内練習場の建設すらも、存続を願う声を無視してはいないという教団の“ポーズ”にしか思えない。

 廃部は不可避というのが、私の結論である。

 2月2日にOBである清原和博が麻薬取締法違反で逮捕された。現役の部員には関係のないこととはいえ、教団からすればこの不名誉な事件を、野球部を廃部に追い込む切り札にも利用できよう。

 奇しくも清原が逮捕された日は、野球を愛し、野球を通じてPLの教えを広めようとした2代教主・御木徳近氏が死去した日である。全国屈指の野球名門校の終焉としては、不思議な因縁を感じずにはいられない。

取材・文/柳川悠二
― PL学園野球部、(実質上)廃部の真相 ―

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