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台東区・墨田区・江東区エリアが「オシャレタウン」に変貌した理由

どこかレトロな雰囲気も若者にウケた要素

 しかし、なぜ若者たちは下町にポートランド的なものを感じ取ったのか? 立正大学文学部教授で都市社会学を専門とする小浜ふみ子氏はこう語る。
小浜ふみ子氏

小浜ふみ子氏

「’00年代に始まる大規模な都心の再開発が波及し、東京の風景は均一化されました。特に湾岸部、中央区、千代田区、港区は、同じようなビルやマンションが林立する街並みになってしまった。逆に趣のある路地や長屋が残る下町は多くの人の目に新鮮に映ったことでしょう」  大都市東京にありながら、どこかレトロな雰囲気も「丁寧に暮らす」が信条の若者にウケた要素だ。 「古民家に来住する若者はタワーマンションの住民より、町内会などを通じて地域の人とより深く繋がる姿勢があります。こうした新たな息吹が、活性化の起爆剤の一因になったとも考えられます」(小浜氏) 【今村ひろゆき氏】 東東京マガジン編集長。まちづくり会社ドラマチック代表。クリエーター向けアトリエ、オフィス、ショップの開発・不動産再生を行い、拠点の立地する街の資産に注目したイベントやプロジェクトを展開する 【小浜ふみ子氏】 立正大学文学部教授。都市コミュニティにおける住民組織の歴史社会学的研究、若者のライフスタイル研究などが専門。谷中地区町内会の歴史の研究、最近では墨田区京島地区の再開発を巡る調査なども行う
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<イースト・トーキョー化の主な流れ>
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