葬儀の平均費用189万円はウソ…良い葬儀屋さんを選ぶ方法

 知っているようで意外と知らないお通夜やお葬式でのマナー、葬儀業界の裏話を独自の視点で発信し、「ライブドアブログOF THE YEAR 2015」にも選ばれるなど、注目を集めるサイト「考える葬儀屋さんのブログ」。同ブログの管理人・物理教師氏は、葬儀社歴15年以上の経験に裏付けされた豊富な知識を持つ一方、古い商慣習にとらわれないリアルな情報を発信し続けるその道のプロだ。今回、そんな氏に“世界一高額”と言われる日本のお葬式費用について話をうかがった。

葬式費用189万円はウソ!世界一高額な日本のお葬式費用を減らす方法――早速ですが、日本のお葬式にかかる費用は平均200万円前後。アメリカの約44万円、イギリスは約12万円、ドイツは約19万円と、他国と比較しても飛び抜けています。世界一高額だとも言われますが、実際のところどうなのでしょう?

 よく報道されている、葬儀の平均費用が189万円というのは間違いです。これは統計の取り方がおかしいデータなので、実態より2割増しくらいになっています。正しくはお坊さんへのお布施を入れて総額150万円前後だと思います。

 このデータは、ある財団法人が行ったアンケート結果をもとにしているのですが、みなさんはこのアンケートを、葬儀費用を払った人に対して行っていると思うかもしれません。しかし、実はそうではなく、人から伝え聞いたという金額もOKにしているのです。かかった葬儀費用を他人に話すとき、私たちは実際の金額よりつい高めに言ってしまいがち。そのため本来より高い数値になっているのだと思われます。

 また、サンプル数が少なすぎるという問題もあります。葬儀一式費用の近畿地方のサンプル数がたったの1人というときもありました。とても統計とは呼べない代物なのです。お葬式は高価な買い物なので失敗は許されません。報道を鵜呑みにするのは危険なのです。

――葬儀代は不当に高いというわけではない、と。

 必ず儲かる職業と言われていた葬儀屋ですが、葬儀の値段はどんどん下がり、今ではかなりブラック化しています。お葬式以外にも、病院の死亡退院の対応や事故での死亡対応業務など、24時間365日営業の必要があるため、36時間連続勤務だとか、1か月無休といった職場の噂も聞きます。一方で遺族に感謝され、すごくやりがいのある職業のため、現場のスタッフは無理をしがち。その対価として考えれば、葬儀代は決して不当に高いわけではないのです。

――昨今では格安料金をうたう葬儀社もあるようですが……

 最近よくあるインターネットで格安料金をうたっている葬儀社には注意が必要です。葬儀屋はITに弱く、これらの実態はブローカーがインターネットで集客して葬儀屋に顧客を紹介しているだけ。インターネット分野は競争が激しく、葬儀屋にとってほとんど利益が出ない仕事のため、追加商品を積極的に売って、それを補填しようとする悪徳な葬儀屋も中にはいるようです。

――では、そのなかでも良い葬儀屋さんを選ぶにはどうすればよいのでしょうか?

 いくつかあるのですが、鉄則は複数の葬儀社を比較することです。たとえば、セカンドオピニオン方式。まず、複数の葬儀社に連絡して、「どのエリアで、何人くらいの葬儀をしたい」などの要望を伝え、見積もりをデータ化して、メールで送ってもらいます。そのなかで、最安値の葬儀社の見積もりを他の葬儀社に添付して送り、「御社の見積もりとの価格差の理由を説明してほしい」と言うのです。そこで、ちゃんと説明ができるのが他社研究も価格体系もしっかりしている良い葬儀社ですね。

 病院契約の葬儀社に頼まなくてはいけないのでは?と考える方もいるようですが、今では病院の業者に頼んではいけないというのはほぼ常識で、そういうケースは1割程度に過ぎません。さもなければ、安置場所までの搬送だけ病院契約の葬儀社にお願いして、一旦お引き取り願い、半日ほどかけて正式に頼む葬儀社を探すのがよいでしょう。もちろん、亡くなる前の事前相談の段階で行うのがベストです。

――なかには簡素な葬式を望む人もいると思うが、そういう人に対してのオススメは?

 予算の関係上、お葬式をしないで火葬だけをする方もいるでしょう。これを直葬といいます。これなら20万~30万円で行えます。全く何もしないことに抵抗がある人は火葬炉前にお坊さんを呼んで10分くらい、お経をあげてもらっても良いでしょう。これなら、お坊さんの御礼は5万円前後で済むかと思います。

【物理教師】
葬儀社に15年以上勤務し、業界内部を知り尽くしたその道のプロ。業務内容はお葬式の担当と葬儀・葬儀業界の分析。Twitterアカウントは@kangaerusougiya。「ライブドアブログOF THE YEAR 2015」にも選ばれ、月間45万PVを突破した「考える葬儀屋さんのブログ」も日々更新中。

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