“文房具界の下町ロケット”中島重久堂の鉛筆削りが「2016年・文房具屋さん大賞」に

中島重久堂_イメージ 2013年から始まり、毎年開催されている『文房具屋さん大賞』。文房具好きが認める有名文具店の“プロ”が「自腹で買いたい!」という逸品を厳選し、その投票数によって「大賞」ならびに「新人賞」「各部門賞」を選定するというもの。文房具ファンの間でも毎年、注目度が高まっている。

 そして先ごろ『文房具屋さん大賞2016』が発表され、その公式本が発売された。国内有数の文房具屋さんが絶賛した、気になる大賞受賞作は……?

“もったいない”が発想の原点に


中島重久堂_TSUNAGO

2016年の文房具屋さん大賞に輝いた中島重久堂の「TSUNAGO」

 2016年の文房具屋さん大賞に輝いたのは、中島重久堂の「TSUNAGO」だ。

 鉛筆は、書いて削るたびに短くなりやがて使えなくなる。そんな短い鉛筆同士をつないで、一本の鉛筆として生まれ変わらせ、最後まで使い切ることを実現したのが、この「TSUNAGO」という鉛筆削りなのだ。

⇒【画像】はコチラ http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1080403

中島重久堂_TSUNAGO使い方

短くなった鉛筆の両端を削り、2つの鉛筆を合体させる

「カリカリと工作を楽しむ感覚で丁寧に削っていくのが楽しい。きれいに鉛筆がつながると達成感があります」(東急ハンズ)、「エコの発想が基本ですが、大人の遊び心をくすぐるギミックが素晴らしい」(石丸文行堂)など、文房具屋さんも大絶賛している。

 これを開発した中島重久堂の中島潤也社長は言う。

「日本古来の“もったいない”という精神を、私たちの製品で具現化できないか。そして、“もったいない”という考え方を世に問い直したいと考えまして。今、思えば大それたことをやってしまったと冷や汗をかいているのですが、予想以上の反響があり、また今回のような大賞もいただいて、とても光栄です(笑)」

中島重久堂_中島社長

開発した文房具への思いを語る中島社長

“Made in Osaka,JAPAN”の誇り


 これまで、大賞を受賞したのは2013年「フリクショボールスリム」(パイロット)、2014年「ハリナックス」(コクヨS&T)、2015年「デルガード」(ゼブラ)と、国内有数の大手メーカーの製品だった。

 それに比べ、この「中島重久堂」という社名は耳慣れないかもしれないが、実は日本唯一のプラスチック小型鉛筆削り専門メーカーとして国内シェアの8割を占めているのだ。本社・工場は大阪府松原市の工場地帯の一角にあり、社員は10数人しかいない。刃の研磨作業は中島社長自ら行うなど生産工程では職人の技が光る。その技術力の高さは国内のみならず海外でも高評価。「日本の技術力を武器に大阪の工場から生まれた大ヒット作」という図式は、まさに“文房具界の下町ロケット”と呼ぶにふさわしいではないか。

「TSUNAGOのパッケージの下に、“Made in Osaka,JAPAN”と入れさせていただきました。大阪のものづくりに対する“こだわり”と“誇り”を世界の人にも知っていただきたいと。そして、日本のものづくりは健在だということをアピールしたかったのです」(中島社長)

中島重久堂_工場

中島重久堂の工場の風景

さまざまな“想い”をつなげたい


 TSUNAGOのパッケージには、「想いをつなぐ鉛筆削り」と記されている。それは単に「鉛筆をつなぐ」ことだけではないと中島社長は言う。“ものづくりの楽しさ”“もったいないという精神”“環境に対する慈しみ”など、さまざまな想いが詰まっているのだ。

「私がこの商品を開発したのは、こうした想いをつなぐ喜びを、商品を通して世にメッセージとして伝えたかったからです。この商品を使ったご年配のお客様から、『自分の子どもが使い残した短い鉛筆をつないで、それを孫にプレゼントするのが楽しみです』という内容のお便りをいただきました。これを読んだとき、この製品をつくって本当によかったと感じました」(中島社長)

 技術力だけではない、中島社長のそんな“想い”こそが、TSUNAGOが大賞を受賞した理由なのだと納得! <文・図版/日刊SPA!編集部 協力/中島重久堂>

文房具屋さん大賞2016

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