「この女、かっこいい!」――46歳のバツイチおじさんは影のあるクール美人に心を奪われた〈第21話〉
「彼女のこと、もっと知りたいな。英語学校2か月じゃなくてもう1か月ぐらい行っとけばよかったな。でも、もう1か月行ってたらエラには会えてないか……」
俺は天井を眺めながら、少女マンガのような独り言を口にした。
しかし、このままではエラとの距離が詰められない。
俺は自分の英語力の低さを恨んだ。
「あ!」
あることが頭に閃いた。
「クラブで会ったフィリピン人のビーナス、プノンペンで英語の先生やってるって言ってたな」
ビーナスとはFacebookで友達になっていたので、メッセージしてみた。
俺【どうも、ビーナス。この間、馬見新ちゃんと一緒にクラブで会ったごっつだよ。覚えてる?】
すると、すぐにメッセージが返ってきた。
ビーナス【どうも、ごっつ。この間は楽しかったよ。ありがとう!】
俺 【ところで、ビーナスって英語の先生なの?】
ビーナス【そうだよ】
俺 【今、プノンペンで英語の先生を探してるんだけど、俺の先生になってくれないかな?】
ビーナス【え? いいよ。まだ、カンボジアにいるの?】
俺 【うん】
ビーナス【個人授業を受けたいの? 会話の?】
俺 【リスニングと会話かな。1時間いくらかな?】
ビーナス【個人授業だと通常は20$なんだけど、お友達価格で15$でいいよ】
俺 【そこをなんとか8$でお願いできない? その代わり1日4時間、一週間契約したい】
ビーナス【……8$か。まぁ、いいよ! やってあげる】
俺 【本当!? ありがとうー】
俺はエラのことをもっと深く理解するため、ビーナスからプライベートレッスンで英語を習うこととなった。1日32$、一週間の合計金額は224$だ。
決して安い額ではないが、背に腹は代えられない。
俺はカジノで儲けた分をプライベートレッスン代に充てることにした。
<バックナンバー>
【第20話】「運の流れを変えなければ」――46歳のバツイチおじさんはカジノに活路を見出そうとした
【第19話】「俺、ここで死ぬかも」――46歳のバツイチおじさんは窓のない部屋で生死の境をさまよった
【第18話】「俺は女性の涙に人一倍弱い」――46歳のバツイチおじさんは彼女の悲しい表情に胸が締め付けられた
【第17話】「なんだか新婚旅行みたいだね」――46歳のバツイチおじさんは象の背中の上で彼女に微笑みかけた
【第16話】「こんなところで漏らしたら大惨事だ」――46歳のバツイチおじさんは全神経を集中させてトイレを探した
【第15話】「俺は今、自分を見失っている」――46歳のバツイチおじさんは旅を立て直すために大きな決断を下した
⇒【第1話】からの全バックナンバーはコチラから
【第20話】「運の流れを変えなければ」――46歳のバツイチおじさんはカジノに活路を見出そうとした
【第19話】「俺、ここで死ぬかも」――46歳のバツイチおじさんは窓のない部屋で生死の境をさまよった
【第18話】「俺は女性の涙に人一倍弱い」――46歳のバツイチおじさんは彼女の悲しい表情に胸が締め付けられた
【第17話】「なんだか新婚旅行みたいだね」――46歳のバツイチおじさんは象の背中の上で彼女に微笑みかけた
【第16話】「こんなところで漏らしたら大惨事だ」――46歳のバツイチおじさんは全神経を集中させてトイレを探した
【第15話】「俺は今、自分を見失っている」――46歳のバツイチおじさんは旅を立て直すために大きな決断を下した
⇒【第1話】からの全バックナンバーはコチラから
この連載の前回記事
この記者は、他にもこんな記事を書いています
ハッシュタグ