森下千里が小説で描く「オトコとオンナの問題点」

森下千里『倍以上彼氏』 デビュー作『倍以上彼氏』(河出書房新社)で、甘く、切なく、痛みさえ伴う“禁じられた恋”を描いたタレントの森下千里(34)。20代のスタイリストの卵と50代の男性カメラマンが出会い、恋に落ち、苦悩する様を女性目線で瑞々しく長編小説が話題だ。原稿用紙800枚という大作に挑んだ森下は、執筆にあたって最近の恋愛事情をリサーチしたという。彼女の目に映った“現代の恋”とはいかなるものなのか――インタビューを試みた。

  * * *

――『倍以上彼氏』では、どこにでもいそうな少し奥手の女性がふとしたきっかけで不倫にのめり込んでいく過程が生々しく書かれていて、驚きました。取材は結構なさったんですか?

森下:だいぶしました。普段はどちらかと言うと話を聞いてもらいたいタイプなんですが、今回、本を書くにあたって色んな方に恋愛や不倫経験の話を聞くと、すごく俯瞰(ふかん)で見れるようになって……「不倫ってある種、現代社会が抱える問題点だ」と感じて、これはテーマとして書きたいなと。

――問題点というと?

森下:本来あった恋愛の形が変わってきていると思うのです。というか、昔に戻ってきているとも言えるのです、強い男が上から順番に女のコをもらっていく、みたいな。

私が見た限り、不倫にハマっちゃうコって小説で書いた主人公のような普通の女性もいますが、結構かわいいコも多いんです。ガツガツ攻める既婚の肉食系に「綺麗だよ、かわいいよ」って押されると嫌な気はしないですよね。それがいつの間にが、オンナ側がはまっている。

基本的に女性は受け身で押しに弱い。それと、言葉に出して言われないと分からない生き物なんです。若い男のコの草食化がよほど進んでいるのか、ガツガツしていた世代が年をとって結婚し、年上の既婚男性がモテる事態が起きている気がするんです。

――あまり健全ではないですね。

森下:美人ほど押しに弱かったりしますからね。既婚者は余裕があるし、“形”を作るのが上手。男女関係ってビジネスじゃないから、契約書はいらないでしょ? 「週に1回会えたら嬉しい」と言われれば、「ああこの人はそういうペースなんだな」って女性は思うし、「電話でれなくても心配しないでね」と伝えられればそれがルールと思うようになる。そういう形作りが上手な人って付き合いやすいですよね。

それに、家族ではないから男性にとってその恋は純愛、ファンタジー。現実はさて置いて、好きという気持ちだけを大事にできるんですよね。ずるいですけど(笑)。そこを「結婚しているのに、大事にしてくれる」って勘違いしてしまう女性もいるんです。

――既婚がモテるという話を聞くことはありますが、本当なんですね。

森下:ルールを超えて、気持ちでぶつかられると嬉しいと思ってしまう女のコもいますよ。それに実際、お姫様扱いされ続けたい“愛人体質”の女のコはいますからね。肉食系というか、チヤホヤするのが得意な男性は既婚でもモテると思います。本当、かわいいコが意外と泣いている。

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倍以上彼氏

華やかな芸能界の片隅でスタイリストを目指す女性の夢と生を描く恋愛小説

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