ホーガン&サベージの“サマースラム”――フミ斎藤のプロレス講座別冊 WWEヒストリー第82回

サマースラム88

ハルク・ホーガンの不在というシチュエーションは、WWEにとって大いなる実験 だった。(写真は「サマースラム88」のWWEオフィシャル・プレス・キットから)

 ハルク・ホーガンの“不在”というシチュエーションは、WWEにとって大いなる実験だった。ホーガンは映画『ノー・ホールズ・バード』(邦題『ゴールデン・ボンバー』)の撮影のため“レッスルマニア4”(1988年3月27日=ニュージージー州アトランティックシティー、トランプ・プラザ)を最後にライブの観客のまえから姿を消した。

 ホーガンに代わり全米サーキットの主役の座についたのは、“レッスルマニア4”で開催された王座決定トーナメントに優勝し、WWE世界ヘビー級チャンピオンになったばかりの“マッチョマン”ランディ・サベージだった。

 1980年代後半のWWEは、現在のような毎週月曜夜の“マンデーナイト・ロウ”(生中継)、火曜夜の“スマックダウン”(録画撮り)、土曜と日曜のハウス・ショーといったテレビ番組制作を中心とした日程ではなく、所属選手を3クルーに分けて1日3都市での同時興行という超過密シフトで全米ツアーを展開。WWEスーパースターズはそれぞれ年間300試合という殺人的スケジュールをこなしていた。

 テレビ番組は“WWEスーパースターズ”“プライムタイム・レスリング”“オール・アメリカン・レスリング”“WWEチャレンジ”“WWEスポットライト”の全5本。3週間にいちどのTVテーピングはいずれも3週オンエア分から5週オンエア分のタメ撮りで、試合をおこなう選手たちも、どの試合がいつどの番組でオンエアされるのかを完全には把握していない状況だった。

 “1984体制”からスタートした全米マーケット進出プロジェクトの主役グループだったロディ・パイパー、ポール・オーンドーフ、“スーパーフライ”ジミー・スヌーカ、“カウボーイ”ボブ・オートンらはすでにTVショーからフェードアウトしていた。WWEスーパースターはつねに生産され、消費されつづける消耗品だった。

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