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WWEとPPVプロバイダーが衝突――フミ斎藤のプロレス講座別冊 WWEヒストリー第87回

 前年3月の“レッスルマニア4”から1年にわたりつづいてきたホーガンとサベージの友情ストーリーはふたりの“仲間割れ”で最終回を迎え、新たなる因縁ドラマの完全決着戦はそれから2カ月後の“レッスルマニア5”のメインイベントにラインナップされた。  ビンス・マクマホンは、“レッスルマニア5”のPPV放映のパーセンテージ契約をめぐりケーブルTV各社と水面下の攻防をくり広げていた。WWEは有料放映収益全体の60パーセントを求め、ケーブルTV各社は50/50(WWEにとっては実質43パーセント)のラインを譲らなかった。  リクエスト、ビューアーズ・チョイスのケーブル大手2社はWWEとの交渉をいったん保留とし、“テレビ王”テッド・ターナーにある企画をもちかけた。それは“レッスルマニア5”と同日・同時刻にWCWのPPVをプロデュースするというものだった。このとき、ケーブル大手2社のもくろみが現実のものとなっていたとしたら、“レッスルマニア5”は全米のケーブル受信世帯数のうちの約75パーセントを失うところだった。  前年3月、TBS(ターナー・ブロードキャスティグ・システムズ)は“レッスルマニア4”と同日・同時刻に特番“クラッシュ・オブ・チャンピオンズ”を放映し、PPVプロバイダーから“利益の共食い”という批判を浴びた。
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大手2社がTBSに“WWEつぶし”を提案
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