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【Facebook老害事件簿】思想のおしつけ、ストーカー、マウンティングも

―マウンティング系老害―  過去の栄華に寄り添うように生きる、今は哀しき老人もFacebookでは我が春を謳歌するように過去の自慢話を繰り広げる。だが、それが度を過ぎるとマウンティングに発展してしまうようだ。 「昔は羽振りが良かったジイさんがいて、何か書く度に対抗心剥き出しでコメント付けてくるんですよ。あれはウザいですね」  と語るのは20代の会社員男性だ。 「先日、中古でBMWのちっこい1シリーズを購入して写真をアップしたら『僕が昔乗っていたのは今はもうない8シリーズ。あの頃は余裕があったからキャッシュで買ったよ』って。彼女と沖縄に行ったときも『リゾートもいいけど、沖縄の本当の魅力は離島にあるんだよ』とか、上司に銀座で寿司を奢ってもらったこと書いたら『銀座の●●(店名)も板前が変わって、随分と味が落ちたって聞くよね』ってイチャモンですよ。もう、いっつもこの調子で被せてくるんですよ」  このおじいさん、自身のFacebookでは常に回顧録に終始し、過去の栄華を日々綴っているという。 「マンションを即金で買ったとか、仕事で有名人に会って銀座で豪遊する仲になったとか、そんなんばっか。でも、今の生活は厳しいみたいで聞いた話では毎月のように携帯が止められたり、電車代もなくて外に出られないみたいなんですよ。僕への書き込みが息抜きになってんならしゃあないかなって」  彼のように優しい人だけじゃないと肝に銘じた方が良さそうだ。 「“痛い”Facebookの老害」に若者はウンザリ 他にも仕事関係の情報を全て書き込んでしまう情報漏洩系老害や、すぐに議論をしたがる討論系老害、他人の悪口を書きまくる暴言系老害など、さまざまなケースの老害事例を聞くことができた。  これらの事例で共通しているのは、こうした迷惑行為を彼らは“よかれ”と思ってやっていることだ。そして、自分の意見や主義主張は絶対に正しいと思い込んでいることだ。  確かに人生の経験値では、60年も70年も生きてきた彼らに適うはずはない。だが、だからといって全てが正しいとは限らない。前述のケイコさんは彼らについてこう話してくれた。 「今の若いコは……とか、あたしたちにはこうしろああしろって言いますけど、そんなに自分たちの世代が正しいんでしょうか。正しいことをしてきたなら、もう少し今の日本は“まとも”じゃないんでしょうか」  ぐうの音も出ないとはまさにこのことか。こうした老人たちを反面教師として見習いたいものである。〈取材・文/SPA!老害問題取材班〉
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