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WWE対WCW“ナッシュビルの乱”――フミ斎藤のプロレス講座別冊 WWEヒストリー第90回

WWEスポットライト

WWEとWCWの3度めの興行戦争の舞台は“ナッシュビルの乱”。ビンス・マクマ ホンが先制攻撃を仕掛けた。(写真は「WWEスポットライト」誌の表紙より)

 1989年はWWEとWCWの2大メジャーリーグによる“12年戦争”の序章だった。  ビンス・マクマホンは、WCWのPPV“シャイタウン・ランブル”(1989年2月20日=イリノイ州シカゴ、UICパビリオン)の2日まえ、シカゴのローズモント・ホライズンでスーパーショーを開催し、ライブの観客を横どりした。  ハルク・ホーガン対ビッグ・ボスマン、ランディ・サベージ対バッドニュース・ブラウン(バッドニュース・アレン)のダブル・メインイベントを投入したノーTVのハウスショーは1万7900人(興行収益=21万3000ドル)の大観衆を動員。  リック・フレアー対リッキー・スティムボートのNWA世界ヘビー級選手権をメインにラインナップしたWCW“シャイタウン・ランブル”のライブの観客数は7900人(興行収益=6万8700ドル)、PPV契約世帯は15万5000世帯という微妙な数字だった。  WCWは、WWEの年間最大イベント“レッスルマニア5”(同4月2日=ニュージャージー州アトランティックシティー、トランプ・プラザ)と同日・同時刻にTBS特番“クラッシュ・オブ・チャンピオンズ”をオンエア。ケーブルTVの“無料特番”で“レッスルマニア5”のPPV有料放映にダメージを与える作戦に出た。
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ホーガン対サベージの1年がかりの因縁ドラマの完結編
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