スポーツ

“サバイバー・シリーズ”の主役はウォリアー――フミ斎藤のプロレス講座別冊 WWEヒストリー第94回

 WWE世界ヘビー級王者ハルク・ホーガンは第3試合に出場し、ジェーク“ザ・スネーク”ロバーツ&ザ・デモリッション(アックス&スマッシュ)とのカルテット“ザ・ハルカマニアアックス”としてテッド・デビアス&ゼウス&パワーズ・オブ・ペイン(バーバリアン&ウォーロード)の“ザ・ミリオンダラー・チーム”と対戦。  映画『ノー・ホールズ・バード』のスクリーンから飛び出してきた“怪物”として8月の“サマースラム”でデビューを果たしたゼウスは、デビアス軍団のメンバーとして今大会に登場したが、序盤戦のレフェリーへの暴行であっけなく失格(反則負け)。“サマースラム”では上げ底のシークレット・ブーツを着用して2メートル超の巨人ぶりを演出していたが、この日はなぜかふつうのリングシューズをはいていたため、ホーガンとの身長差が逆転していた。  試合は終盤戦、ホーガンとデビアスの一騎打ちとなり、ホーガンが十八番レッグドロップでデビアスをきっちりフォールした。ホーガンがちょうどまんなかあたりのポジションで登場してきたのはやや不可解だった。  第4試合、“ミスター・パーフェクト”カート・ヘニング&リック・ルード&ルージョー・ブラザース(レイモンド&ジャック)の“ザ・ルード・ブルード”対ロディ・パイパー&ジミー・スヌーカ&ブッシュワッカーズ(ブッチ&ルーク)の“パイパーズ・ラウディーズ”の一戦は、“1984体制”時代のホーガン世代のスーパースターと80年代後半の新しいスーパースターの世代闘争だった。  ベテランのスヌーカがスーパースライでジャックを、パイパーがパイルドライバーでレイモンドをそれぞれフォールすると、ルードとヘニングもブッチ、ルークをそれぞれフォール。2対2のシチエーションになるとパイパーとルードが両者カウントアウトで同時に姿を消し、最後はヘニングがパーフェクトプレックスでスヌーカから3カウントを奪った。46歳(当時)のスヌーカの体力的な衰えが目立った。  メインイベントは、アルティメット・ウォリアー&ジム・ナイドハート&ザ・ロッカーズ(ショーン・マイケルズ&マーティ・ジャネッティ)対“ヒーナン・ファミリー”アンドレ・ザ・ジャイアント&ハク&アーン・アンダーソン&ボビー・ヒーナン(タリー・ブランチャードの代打)。
次のページ right-delta
ウォリアーとアンドレのからみに注目が集まったが…
1
2
3
おすすめ記事