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“陸上のティン・カーベル”アルティメット日本代表・池治ちあきを直撃

~もぎたて!女子アスリート最前線 第16回~  アルティメットという競技をご存じだろうか? バスケットボールとアメリカンフットボールを合わせたようなフライングディスクを使ったスポーツである。  2012年WFDF世アルティメット&ガッツ選手権大会優勝メンバーの池治(いけじ)ちあきさん。しなやかに右手を振り、狙ったところにピタリとフライングディスクが飛んでいく様は、彼女の容姿と相まって、まさに“陸上のティン・カーベル”といっても過言ではない。その経緯を見ていこう。
アルティメット日本代表・池治ちあき

いけじ・ちあき

 池治さんがこの競技と出会ったのは、大学のクラブ紹介の映像を観て一目惚れしたことがきっかけ。「このスポーツがやりたい」と即決で入部を決めたという。中学でバレーボール、高校でバスケットボールボールの経験を活かし、大学2年にはレギュラーになり、全日本学生新人アルティメット選手権に優勝。しかもMVPまで獲得するという破竹の勢いで頭角をあらわす。代表メンバー候補に入ってからは、日の丸のプレッシャーで、ミスをしても切り替えることができず「代表に入れなくなる」という不安でバランスを崩してしまった。先輩や監督の励ましもあって2012年ドリームカップでの最終先行試合でみごとMVPを獲得し、代表入りをする。この年の世界選手権の決勝で前半3点リードされても、「負ける気がしない」と後半みごと逆転し優勝。「今までで最高の試合」と語る。  2013年にワールドゲームズ(第2のオリンピックといわれている国際総合競技大会)の選考会に呼ばれ初めて男性と一緒にプレーしたこともあり、男性のスピード感を把握できず落選する。ワールドゲームズは男女混合競技(MIXID)部門しかなく、アルティメットの世界ではこの混合でトップになることが一番の目標とされている。自身もさらなる上をめざすためにこの競技にシフトする。この後U-23代表に選ばれカナダ・トロント世界大会に出場し銅メダルとMVPを受賞した。 ⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1106127  卒業の時、就職か留学で悩んでいた時に先輩のアドバイスで東京での就職を選び、社会人チーム「HUCK」に所属する。現在は臨時的採用職員として教員で頑張っていて、今年からは担任を任されるまでになった。 「今年はロンドンでの世界選手権があるのですが仕事もあるので何試合か欠場しないといけない」というのが今の悩みだそうだ。  来年のワールドゲームに行くために大切な大会なので是非ともいい結果を出して出場を決めてほしい。
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池治選手への一問一答
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