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舛添知事の進退問題はこう動く 追及すべき都議会の思惑とは?

舛添知事の進退は?

 この舛添問題、今後、どのような事態が想定されるか。  まずは、舛添知事がひたすら時間を稼ぎ、世間の沈静化を狙うことが考えられる。舛添知事は極端に金銭に執着するタイプなので、一日でも長く知事の座にしがみ付きたいはずである。  一方、都議会サイドは、知事不信任の議決をすることで、逆に知事によって都議会を解散させられ、選挙に追い込まれるのは絶対避けたい。舛添知事が都議会与党に完全降伏し、言いなりになるのであれば、首を取られることはないだろう。もしかしたら、次の選挙も舛添知事は立候補するかもしれない。どうしても持ちこたえられない場合は、舛添知事が今期一期限りでの辞職を表明することで、事態の沈静化を図る手もある。  また、次の都議選が行われる2017年6月まで舛添知事を延命させることもありうる。イメージの良い都知事候補を探したうえで、知事選と都議選のダブル選挙を仕掛けるのだ。これであれば、都議会与党は自分たちの選挙を有利に展開できると考えるだろう。早い段階で舛添知事に辞められてしまうと主要政党は新しい知事候補を探す時間がないので、一定の時間を稼ごうとするだろう。もっとも、舛添知事が精神的に参ってしまえばそれ以前の辞任もあり得るが、彼はそこまで常識的な神経は持ち合わせていないだろう。

5・20定例会見、5・25都議会に注目

 一連の舛添問題に対して、自民党谷垣幹事長や公明党山口代表から批判的な発言があった。また、都議会の民進党系会派は、説明責任を果たし充分に精査することなどを知事宛に申し入れた。これら主要政党からの苦言を、舛添知事はどのように受け止めるのだろうか。  注目すべきは、5月20日の都知事定例会見で舛添知事がどのような弁明をするのか、5月25日の都議会議員運営委員会で主要政党が舛添問題をどのように扱うかだ。  すでに政界の一部では、ポスト舛添をにらんで動き出している。 【野田数(のだかずさ)】 教育評論家。東京都出身。早稲田大学教育学部卒業後、東京書籍に入社するが、歴史教科書のあり方に疑問を持ち、政治の道へ。東京都議会議員時代に石原慎太郎氏、猪瀬直樹氏と連携し、朝鮮学校補助金削減、反日的な都立高校歴史必修教材の是正を実現し、尖閣購入問題などで活躍。その後、多様な経験を活かし、ビジネス誌や論壇誌で本質を突いた社会批評を展開している。
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