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舛添知事の記者会見のウラに隠された「逃げ切りのシナリオ」

事実上の「答弁拒否」

<文/教育評論家・野田数 連載第4回> 東京都庁 政治資金疑惑に揺れる東京都の舛添要一知事の定例会見が、5月20日行われた。この注目の会見をテレビで観た多くの人たちは、激しい憤りを覚えただろう。  東京都知事の定例会見は毎週金曜日の14時から行われるが、今回は異例の報道体制で、NHKや民放各社が生中継を行った。しかしながら、このように多くの都民、国民が注目しているにもかかわらず、舛添知事は疑惑を一切解明せず、記者に対して事実上の「答弁拒否」を貫いたのである。  舛添知事の発言は以下の2点である。 ①自分の政治資金疑惑については、政治資金規正法に詳しい複数の弁護士に調査を依頼し、調査結果を出したい。 ②自分は都知事を辞職する気がない。  記者があらゆる角度から疑惑を追及したにもかかわらず、舛添知事はすべての質問に対して、上記の2点を繰り返し発言しただけだった。

「弁護士に調査を依頼」のカラクリ

 そもそも、弁護士の人選を舛添知事が行い、弁護士費用も舛添知事が支払うわけだから、舛添知事に不利になるような調査結果が出されるわけがない。もっとも、意図的にクライアントを不利な立場に追い込む弁護士がいるとすれば、その弁護士たちは仕事を失うだろう。  つまり、舛添知事は自分の疑惑を厳しく調査し公表するのではなく、自分がこの事態を乗り切るために弁護士に相談しているだけなのだ。  20日の記者会見で舛添知事は、これまでの饒舌な自己弁明は影をひそめ、前述の2点しか語らなかった。自分がうかつな事を話すとボロが出るので、事実上の「答弁拒否」を行った。
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舛添知事、逃げ切りのシナリオ
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