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“痴女”はなぜ増えたのか。AVで一般化、ananのセックス特集から普通の女性も…

 しかし’00年代も後半になると、アイドル的な人気女優も、痴女プレイをこなすようになってくる。卑猥な淫語を口にしながら男を責めるというプレイが、どの作品にもワンシーンは収録されるようになっていった。痴女はAVの中で一般化し、浸透したのだ。  しかしそれはAVの中だけの現象ではなかった。1989年に『anan』が初めてセックス特集を行ったのを皮切りに、女性誌のセックス特集は珍しいものではなくなっていった。そして、そこでは風俗のような「男を責める」テクニックが紹介されていた。フェラのコツだけではなく、乳首舐めや手コキ、果てはアナル舐めに至るまでの技術が詳細に解説される。パートナーを喜ばすための手段を選ばぬテクニックのオンパレード。 「女性が“痴女化”しているのではないか?」。メディアはそう書きたてた。しかし「男性を責めることで興奮する痴女」などという存在は本当に実在するのだろうか? それは男性に都合のいいファンタジーにすぎないのではないか? そんな疑問も出るなか、街では着実に痴女的な性癖を持つ一般女性も増えたのだった。 <痴女の定義> ・自分の欲望に忠実であり性欲を隠さない ・淫らな言葉を囁きながら男を責める ・自分が責められるより責めることで興奮する 【安田理央氏】 フリーライター、アダルトメディア研究家。新刊『痴女の誕生 アダルトメディアは女性をどう描いてきたのか』(太田出版)で、AVなどで描かれる女性像の変遷を検証 ― 調査研究[痴女]はなぜ増えたのか ―
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痴女の誕生

今現在進行しているセックスの状況をつぶさに描き出す革命的論考。

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