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ロボットやAIに人間の仕事が奪われる【テクノ失業の恐怖】

最初から人間を雇わない企業も……

「2018年には成長企業の45%でマシンの数が従業員数を上回るとされています」と話すのは、国際大学GLOCOM客員研究員の林雅之氏。 「今後設立されるスタートアップ企業では、最初から人間の代わりに知能や自己学習機能を備えたマシンを導入するところが増えていくでしょう。結局、企業にとって人を雇うのは、時間とコスト、そしてリスクがともないますからね」  大企業にも変革の兆しはある。 「2014年に、みずほ銀行がIBMの質問応答システムWatsonをコールセンターに導入したのは象徴的な出来事でした。日本企業の中でも、金融は多くの規制に守られている業界の一つです。そこが、あえて多額を投じてWatsonを導入したわけですから、その危機感には並ならぬものが感じられます」  もっとも「AIやロボットは人間の仕事を奪う」と一概に考えるわけにもいかない。先ごろ、経済産業省が発表した「新産業構造ビジョン(中間整理)」では、むしろAIやロボットによる代替を積極的に進めていかないと、国際競争力で負けた日本は市場を喪失し、かえって多くの失業者を生む……とするシナリオが説明されている。

クリエイティブ職は激減!?

 ロボットやAIに仕事を奪われるのは、専門性のない単純労働が中心と思われがちだが「むしろ単純労働こそが人間にとって最後の牙城となる」と予言するのは経営戦略コンサルタントの鈴木貴博氏。 「コンビニの店員の場合、レジ係はともかく、商品の梱包を解いて陳列して……といった細々とした作業は意外とロボット化しにくいため、当面は人間のほうがコストを抑えることができます。一方、世間的にクリエイティブと思われている職種ほど、実はAIへの置き換えが容易だったりする」  例えば、ネット発のドラマとして世界中でヒットしている『ハウス・オブ・カード』は、ビッグデータを活用して、監督や主演俳優などに“ウケる要素”を詰め込み、まんまと成功したことで知られる。 「そうなると、いわゆる“アイデアマン”的なプランナーはもはや必要なくなります。同様に、作曲の分野でも、人間よりAIのほうがヒットを生み出しやすくなるでしょう。作曲には規則性があるので、“ウケるメロディ”をデータからパターン化するのは難しいことではありません」
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来る「テクノ失業時代」をサバイブするには ……
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