普通の女性の「痴女化」を推し進めた背景とは?

 AVでも頻繁に登場し、多くの男性が夢見る“痴女”。しかし、彼女たちは現実に存在するのか? 『痴女の誕生』(太田出版)の著者、安田理央氏と共に、その真実に迫った。

【痴女誕生の背景】

安田理央「痴女は実在し、旧来の性の価値観にノーを突きつける存在である」


 現在のAVで言われる「痴女」像は、’90年代初頭に池袋の性感マッサージ店のプレイのなかで生み出され、それを作ったのは、その店の女性オーナーとそこで働いていた風俗嬢たち。つまり痴女は女性たちが作り出したのだと拙著『痴女の誕生』では述べた。さらに女性誌がセックスに積極的になることを肯定したことも、女性の「痴女化」を後押しした、と。

普通の女性の「痴女化」を推し進めたの背景とは? 痴女を「男性を責めることで興奮する女性」と定義するならば、間違いなく痴女は実在する。取材を通して、そうした欲求を持った女性が少なくないことが判明した。

 しかし、女性の痴女化を推し進めたのは男性側の変化も大きかった。責められて感じる男がいたからこそ、女性たちはそこに喜びを得たのだ。男が反応しなければ、痴女が誕生することはなかった。

 セックスは男が責め、女は感じるものだという価値観を崩したものが痴女である。’90年代初頭に痴女のシンボルとなった南智子は、自分が変態なのではないかと悩んだ時期があったというが、そのころに生まれた山本わかめ監督は、そんな自分の性癖に疑問を持つことはなかった。女性が積極的に男性を責めることも、男性が責められて感じることも、既に一般化していたからだ。

 セックスの喜びは固定された一方的なものではないという価値観の転換が浸透しつつある。痴女の存在こそがそれを証明しているのだ。そして男性も女性もそれを認識している。

 つまり痴女は男と女が共に生み出したものなのである。

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痴女の誕生

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