スポーツ

テキサス・トルネードってだれ?――フミ斎藤のプロレス講座別冊 WWEヒストリー第103回

WWEオフィシャル・マガジン

“鉄の爪二世”ケリー・フォン・エリックが、テキサス・トルネードという新キャラ クターでWWEと契約。ケリーは“魔法のブーツ”をはいてリングに上がっていた …。(写真はWWEオフィシャル・マガジン1990年12月号の表紙より)

 テレビの画面に映し出されるテロップの文字はごくシンプルにテキサス・トルネードTexas Tornadoで、リング・アナウンサーのコールは“テキサス・トルネード”ケリー・フォン・エリック。1980年代を代表するスーパースターでWWEのリングに登場していない“最後の大物”といわれたケリーがWWEと専属契約を交わしたのは1990年6月だった。  ケリーのホームリング、WCCW(ワールドクラス・チャンピオンシップ・レスリング=テキサス州ダラス)はこの前年の1989年8月、テネシーUSWA(ジェリー・ジャレット派)に吸収合併され、事実上消滅。フリーエージェントとなったケリーは、メジャー団体WWEに活動の場を求めた。  ダラスのエリック・ファミリーとビンス・マクマホンの接触はこれが初めてではなかった。WWEが全米マーケット進出プロジェクトをスタートさせた1984年、ビンスがフリッツ・フォン・エリックWCCW社長に興行会社の買収を持ちかけ、WWEとWCCWの合併が実現しかけたことがあった。  WWEオフィシャル・マガジンにエリック・ファミリーの特集記事が掲載され、ニューヨークとダラスの合体は時間の問題とウワサされた。ビンスは当時、全米60都市で放映されていたTVショー“ワールドクラス・チャンピオンシップ・レスリング”の放映権の買い上げととエリック兄弟との契約をWCCWにオファーした。
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元祖“鉄の爪”エリック
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