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“レッスルマニア7”でホーガンが王座奪回――フミ斎藤のプロレス講座別冊 WWEヒストリー第108回

 湾岸戦争のパロディ路線には良識派とされるテレビ、新聞のニュースメディアの非難が集中したが、ビンスはとことん確信犯的に“アメリカン・ヒーロー”ハルク・ホーガン対“イラク軍曹”サージャント・スローターの“ペルシャ湾の危機”をドラマ化しつづけた。  “レッスルマニア7”の1カ月まえにメディア調査会社SMGが発表したテレビ視聴者アンケートで、“プロレスリング”は「視聴者が嫌いなスポーツ」の1位にランクされた。アンケート調査に協力した成人視聴者の40パーセント以上が(1)大嫌い(2)どちらかといえば嫌い、と回答した。  同じアンケート調査で“プロレスリング”は「視聴者が好きなスポーツ」の40位(全114種目から回答)にもランクインした。アンケート結果を解析したSMGは「WWEは企業スポンサードがつきにくいスポーツ」と結論づけた。  “レッスルマニア7”はシングルマッチ10試合、タッグマッチ4試合の全14試合がラインナップされた“大作”だった。オープニングではカントリー・シンガーのウィリー・ネルソンがアメリカ国歌を斉唱。ヘンリー・ウィンクラー、チャック・ノリス、マコーレー・カルキンといったハリウッド俳優、“億万長者”ドナルド・トランプらがセレブリティー・ゲストとしてリングサイド席に顔をそろえた。  前半戦のハイライト、第7試合のアルティメット・ウォリアー対“マッチョキング”ランディ・サベージの“敗者引退マッチ”では、ウォリアーがサベージをフォール。試合終了後、サベージとマネジャーの“センセーショナル”シェリー・マーテルが仲間割れし、そこにサベージの“元婚約者”エリザベスが乱入。“美女と野獣”のカップルがリング上で再会を果たすという感動的なシーンが用意されていた。  WWEとSWS(当時)の業務提携ラインから天龍源一郎と北尾光司がこの大会にゲスト出場し、第8試合でデモリッション(スマッシュ&クラッシュ)と対戦。天龍がパワーボムでスマッシュからフォール勝ちをスコアした。
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