“ステロイド疑惑”とWWEバッシング――フミ斎藤のプロレス講座別冊 WWEヒストリー第118回

WWEオフィシャル・マガジン

“ステロイド疑惑”によるメディアの大バッシングで、渦中の人となったハルク・ ホーガンは全米ツアーから姿を消した――?(写真はWWEオフィシャル・マガジン 表紙より)

 WWEが契約選手への初めてのドーピング検査を実施したのは1991年11月のことだった。ビンス・マクマホンは、マスメディアの注目を集めたジョージ・ザホリアン医師の“ステロイド裁判”の結審(同年6月27日)から約3週間後の7月16日、ニューヨークで記者会見を開き、外部の独立医療機関によるドーピング検査の導入を発表した。

 ドーピング検査のアナウンスからじっさいのテストの実施まで約4カ月のタイムラグが生じた理由は、アナボリック・ステロイドの“体内サイクル”と関係していた。ビンスは、7月の時点で契約選手全員にステロイドの使用をただちに中止するように通達したが、体内から薬物反応を完全に消すためには“90日間”のリサイクリングが必要とされた。

 ドーピング検査では、テストを受けた41選手のうち20選手の“尿サンプル”がなんらかの薬物の陽性反応を示した。検査で陽性反応が出た選手には6週間の出場停止処分とリハビリ入院が義務づけられるはずだったが、ビンスはこの第1回めのテストを“予備検診”と位置づけ、3カ月後に改めて検査を実施することを決めた。トップグループの約3分の1ほどにあたる20選手の陽性反応という結果は、ビンスにとっても予想外だった。

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