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モバイル型ロボット電話「ロボホン誕生」のチョットいい話

 ハード面ではシャープの常識とは異なる制作工程だったというが、ソフトウェア開発で困難な点はなかったのか。 RoBoHoN「ロボホンは音声認識でのやりとりを前提に作ってきました。これまでの認識技術とは違い、ユーザーがいつ話しかけてくるのかわからないという状況を想定した音声認識です。その環境下で音声を認識させるのは、非常に難しかったです」  音声認識がスムーズにできない点がハードルとなり、開発が数か月滞った時期もあった。 「ロボホンに何度話しかけても認識してくれない。『なんで言うことを聞いてくれないの』と思いながら、ずっと話しかけ続けました」  かわいい顔をしたロボホンを相手にしているだけに、反応のない日が続くのは精神的にも辛かったと景井氏は振り返る。  そうした困難を乗り越えて、ロボホンの発売にまで導いた景井氏や高橋氏が目指したのは、エモーショナルに通じ合えるロボット。まさに我が子のように開発してきたロボホンは、いよいよユーザーの元へと巣立っていく。 「ユーザーの手元に届いてからも、ロボホンを成長させていくことが私どもの使命です。作って終わり、ではありません。ソフトウェアのアップデート、アプリケーションの追加など、今後のロボホンにも期待してもらいたい」  景井氏は、発売がゴールではなく、やっとスタートに立ったのだと語る。価格は19万8000円とけっして安くはないが、かわいい相棒になることは間違いない。ロボホンには機能面を超えた魅力がぎっしりと詰まっていることは、間違いなさそうだ。  ユーザーが増えるほどにブラッシュアップされていくだろうロボホン。ぜひユーザーの一人として、一緒に成長を見守っていきたい。
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