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WEB業界からテレビ朝日へ転職する人が増えている!? 人材大移動が起きているワケ

テレビ局の年収の高さも一因か

 また、忘れてはならないのがテレビ局員の年収の高さだ。日本のサラリーマンの平均年収が415万円(平成26年民間給与実態統計調査より)なのに対し、キー局のテレビ局員の平均年収は1000万円超。関西の朝日放送のケースだと1300万円超となる。  結果、テレビ局への転職は年収アップにつながりやすい。番組制作会社は別にして、キー局社員は残業代を含めれば大手広告代理店や大手WEB系企業よりも高年収になることが多い。待遇面でも転職するメリットは大いにあるのだ。

Webメディアで実績をあげてきた人材の採用

 むろん、採用や待遇面だけで同局に人材が集まっているわけではない。WEB事業の強化に本腰を入れている同局は、WEB業界に明るい経験者をチームに入れている。  大手広告代理店のWEB系の部署に数年携わった後に、テレ朝のコンテンツを作るスタッフに転職した30代男性の例を挙げよう。彼は前職で広告営業を担当し、クライアントや業界との人脈を構築。その後WEB系の部署でマーケティングやコンテンツ制作を担当し、メディア運営にも携わっていた。  こうした広告代理店出身者ならではの強みは、自社で情報やコンテンツを発信するテレビ局と思惑が合致する。  また、Webメディアを中心に活動をしてきたライターも、ここ最近になってBSやネットのテレビ番組、テレビ局が運営するメディアに携わる事例が目立っている。背景にあるのは、テレビ局にとって、WEB業界に詳しい人材が不足していることだ。すでにWEBメディアを立ち上げているテレビ局でも、そのチームスタッフは自社のメンバーで構成されていることが多く、SNSの拡散に疎かったり、WEB業界の流行を捉えきれていないといった課題があった。

IT企業とガッチリ手を組んだ『AbemaTV』

 テレビ朝日の場合、人材だけではなく、企業との連携も忘れていない。今年4月に開設したインターネットテレビ局『AbemaTV』では、大手IT企業・サイバーエージェントとガッチリ手を組んでいる。

AbemaTVより

 テレビの規制を超えた刺激的なオリジナル番組と自局の既存の番組配信をベースに、若者だけではなくテレビ世代の中年層にも支持を広げ、スタートから2か月でアプリは300万ダウンロードを突破した。主に番組制作に携わっているのはテレ朝の番組制作会社だが、サイバーエージェントのWebサービスのノウハウを得ようと、テレ朝社員も出向しており、同社が今後よりWEB業界に力を入れようとしていることは明らかだ。  これまで揺るぎない力を持っていたテレビ局が、テレビ朝日のようにネット業界に歩み寄る姿勢を見せ始めることはあるのだろうか。もしそうなっていけば、ホリエモンが掲げてきた「ネットとテレビの融合」も十何年ごしの実現を果たすことになるだろう。<取材・文/日刊SPA!取材班>
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