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元警官から「これを公開して大丈夫なのか?」の声…映画『日本で一番悪い奴ら』が描く警察の違法捜査の実態

 北海道警察では、捜査情報の漏えいに関する不祥事が相次いでいる。22日には、証拠偽造や地方公務員法(守秘義務)違反容疑などで道警の早坂洋平容疑者が逮捕された。過去にも、覚醒剤密売の仲介者の男と協力して証拠を偽造し捜査情報を漏らしたとして、薬物銃器対策課の警部補が逮捕された事件がある。  この「日本警察史上、最大の不祥事」を描いた映画『日本で一番悪い奴ら』が、綾野剛主演、『凶悪』の白石和彌監督タッグで6月25日に全国公開される。そして、試写会に来場したその筋の元警官からは映画のリアルすぎる内容に、公開を心配する声が寄せられている。 日本で一番悪い奴ら 本作は、“日本警察史上、最大の不祥事”といわれる驚愕の事件「稲葉事件」を題材に、一人の刑事の歪んだ正義が暴走するエンターテインメント映画。原作のノンフィクション作品が映画化されることになり、一番ざわついているのは不祥事を丹念に描かれた「警察」であることは間違いない。  しかし、白石和彌監督は「警察組織を糾弾するつもりで作ったわけではない。この作品で描かれる出来事は、警察だけでなくどの組織にも起こりうる普遍的なもので、それが映画化へ舵を切った理由のひとつ」と語る。 日本で一番悪い奴ら いったい本作で描かれる不祥事の内容とは、どれだけリアルなものなのだろうか? SPA!では、かつて大阪府警巡査部長を務めた経験のある元警官に、独占取材することができた。  まず、物語の舞台となった「稲葉事件」は2002年7月、北海道で現職警察官が逮捕された事件だ。階級は警部で、逮捕容疑は覚醒剤使用というもの。その後、覚醒剤密売とヤクザとの癒着、そして拳銃の不法所持まで発覚した「警察」による事件であり、これこそ“日本警察史上、最大の不祥事”といわれる所以である。  本作はフィクションと謳っていながらも、なぜ「黒い警部」が醜い欲望に溺れたのか、そのスキャンダラスな事件の真相と核心、道警の闇を暴く「ノンフィクション」として成立していると話題になっている。その実態はいかほどか?
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当時の警察内部を知る生き証人
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