田中康夫「僕がおおさか維新から出る理由」

 7月10に行われる参議院議員選挙で、作家の田中康夫氏が「おおさか維新の会」から東京選挙区に立候補することを表明した。この意外とも思える組み合わせが実現した理由について聞いてみた!

目指す頂きが同じであれば、それぞれ手法は違っていい


田中康夫●1956年生まれ、作家。一橋大学法学部在学中に『なんとなく、クリスタル』で「文藝賞」を受賞。2000~2006年に長野県知事、2007~2012年に参議院・衆議院議員を務める

――おおさか維新の会の公認を得ての立候補には驚きました。

田中:一般的には安倍政権の補完勢力だと思われているから、リベラル保守のヤッシーとは水と油だと早とちりしたのかな。

――えっ、早とちりでしょうか? だって……。

田中:国政政党おおさか維新の会は“改憲容認派”と言いたいんでしょ。この点については 「憲法改正で安倍首相とおおさか維新 これだけの壁」という鋭い原稿を塩田潮さん(ノンフィクション作家)が『サンデー毎日』に書いていたけど、おおさか維新が掲げる統治機構改革は、僕が信州・長野県で行ってきたのと同じベクトル。地域主権の確立と、中央集権と既得権益の打破という目指す山の頂きは一緒だ。

 以前は放漫財政だった大阪府と大阪市の身を切る改革は、田中県政の改革と表裏一体だと思う。長野県知事時代、談合が相次いだ不透明な入札制度を抜本的に改め、「『脱ダム』宣言」に基づく地域密着型公共事業を推進し、9割を超える外郭団体を統廃合して、小学校30人学級を全国で最初に全学年で導入したのとね。

――でも、橋下徹さんと田中さんでは演説の仕方ひとつ取っても全然違います。

田中:公正=フェアで、ガラス張り=オープンで、判りやすい=シンプルという点では一緒でしょ。目指す頂きが同じであれば、それぞれ手法は違っていい。

 創業者の橋下徹さんが顧問に退いて、大阪府知事の松井一郎代表、参議院議員の片山虎之助共同代表、共に衆議院議員の馬場伸幸幹事長と下地幹郎政調会長らの集団指導体制に移行したおおさか維新は、個人商店の壽屋が“やってみなはれ”の精神で日本から世界のサントリーへと孵化したように、維新第2ステージに向けた戦いが今回の参院選なんだと思うよ。

緊急事態条項の制定に反対、憲法9条の改正はやるべきではない


6月8日、東京・六本木の国際文化会館で会見を行い、参院選出馬への決意を語る田中康夫氏(左から2人目)。多くのマスコミがつめかけた

――おおさか維新は9条改憲勢力ではないんですか?

田中:この点は少し説明が必要だ。実は5月18日の党首討論で民進党、日本共産党に続いて首相と向き合った片山お維共同代表は、「緊急事態条項の制定に反対。憲法9条改正はやるべきでない。今の憲法の良いところは残さないといけない」とわずか4分の持ち時間の中でハッキリと述べている。

 おおさか維新の会は、自民党以外の現存する国政政党で初めて憲法改正案を示したので“改憲容認派”と呼ばれているけど、大方の先入観と違って掲げているのは次の3項目のみ。「幼児期から大学までの教育完全無償化」「統治機構改革」「憲法裁判所の設置」。どれも「国民の権利と国家の義務」を定める、北欧諸国の憲法かと思える内容でしょ。

――今回の選挙の広報・宣伝方法にはどんな工夫がありますか。

田中:ツイキャスで遊説をライブ配信し、文字起こしもアップします。ツイッター、フェイスブックでも僕の行動をリアルタイムでお伝えしますし、すでにインスタグラムでは妻の惠が作る朝食も、皆さんに公開しています。

 何事もガラス張りが僕の真骨頂。「微力だけど、無力じゃない」と、一人ひとりが実感できるワクワクする選挙戦にしますから、ぜひ新しいサイト(http://tanakayasuo.me/)を覗いてみてください。

 週刊SPA!6月21日発売号では、「田中康夫氏インタビュー 僕がおおさか維新から出る理由」を掲載。「宅幼老所の開設」「保育ママの導入」「平和的予備役制度」など、さらに詳しい政策について語っている。

取材・文/斉藤清八 撮影/白川 徹

週刊SPA!6/28・7/5号(6/21発売)

表紙の人/ 関ジャニ∞

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