為末大が挑む「障がい者スポーツ」の未来。人間の能力×テクノロジーで限界を超える

 開会までいよいよとなったリオデジャネイロ五輪。そちらももちろん気になるところだが、その1か月後の9月7日からスタートするリオデジャネイロ・パラリンピックも見逃せない。パラスポーツへの注目が高まっている今、その動向を調査した。

人間の能力×テクノロジーで限界を超える!


為末大氏

為末大氏

 ロンドン・オリンピックで世界的に話題を呼んだのが、義足のランナー、オスカー・ピストリウスだった。陸上男子400mでは準決勝に進出。炭素繊維でできた黒の義足は刃のようにも見え、「ブレードランナー」と呼ばれた。しかし、為末大氏から見ると、義足のランナーがオリンピックで一緒に走ることに違和感があったという。

「アスリートの立場からすると、同じ土俵で競争するのは正直、反対でした。今は素材の進化が止まらない状態で、一緒に競争を続けていたら、健常者が勝てない時代がすぐにやってきます」

 リオのパラリンピックでも、走り幅跳びのマルクス・レーム(ドイツ)は健常者の記録を上回る可能性があり、将来的には10mを跳ぶ可能性さえあるかもしれないという。まさに次元の違う競技が誕生しつつある。

 面白いのはその為末氏が今、「Xiborg」を設立し、競技用義足の開発に挑んでいることだ。

「なんとなく、これから面白いのはパラだと思っていて、どう関わるべきか考えていたときに友人を通して『競技用義足を作りたい』という遠藤謙さん(Xiborg代表取締役)に出会いました。義足に興味を示すアスリートは僕くらいしかいなかったみたいで(笑)。話を聞いてこれだ!と思いましたね」

 今は3人の選手が開発に協力をし、為末氏はトレーニングプログラムを提供しながら、’20年の東京パラリンピックを目指して義足の改良、選手強化を進めている。

次ページ素材が進化したからといって、そのまま記録には繋がらない

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