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オワコン化する“街コン”が詐欺の温床に…被害男性を直撃

参加費を取り戻すために動き出す

 なんとしてでも参加費を取り戻したい岡本さんは、W社の街コンが載っている街コンのポータルサイトに目をつける。取引がある会社に連絡すれば、足がつかめると思ったからだ。  運営者のTwitter経由で連絡すると、すぐに媒体の役員からメッセージが届いた。 <岡本さま 未返金、警察届け出の件をW社に伝えたところ、返信がありました。本日中に対応するとのことでした。取り急ぎ明日にでも口座確認してみてください>  だが、翌日も返金はなし。再度運営者にその旨を伝え、W社に連絡してもらったところ、ようやく彼の口座に返金があった。

口コミサイトには他にも被害の声が

 粘りに粘った結果、W社から返金に応じてもらった岡本さんだが、街コンの口コミサイトを見てみると、同様の被害にあっている人が少なくないことがわかる。  大手街コン口コミサイト「街コンDATABOOK」でW社開催の街コンにかんする口コミの一部を見てみよう。 <前日の夜遅くに中止の連絡がきましたが、その後の返金のやりとりが全て返事なし。1週間以上たった今、返金も当然されていません> <詳細メール、入金後の確認メールが送られてこない。こちらから連絡すると、人数費の関係でキャンセルになることを当日にメールされた。返金もいつされるのかわからない>

街コン参加費を取り戻した時のストレスもあり、岡本さんは現在も独身のままだ。「しばらく街コンは遠慮したいです」(岡本さん)

 どうやら、街コン詐欺の被害者は彼だけではないようだ。  W社主催の街コンは男性6800円、女性2500円。男女参加者の合計は100人なので1回の街コンだけで46万5千円が売上になる。  街コンを開催せず、何度もこうした詐欺を繰り返していたとすれば、かなり悪質な手口と言ってよいだろう。「警察が動いてくれないのが悔しかった」という彼の弁もうなずける。

廃墟化する街コン

 最後に、日刊SPA!取材班は、代表者の名前をFacebookで検索してみたところ、所属先の会社名から本人がヒットした。代表者は現在、パーティ事業をやめ、歌舞伎町でBARを経営しているようだ。街コンのホームページは今年5月を最後に開催していないようである。  かつて隆盛を極めた街コンも、現在はこのような悪徳業者がはびこるほどに廃墟化しているのは否定できない。今後、街コンに応募しようと思っている人は口コミサイトを活用するなどして、主催者を調べてから参加してほしい。 <取材・文/日刊SPA!取材班>
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