殺虫剤が効かない…「スーパー害虫」が増殖中

 見かけただけで肌が粟立つ人類の天敵“害虫”。それが今、“スーパー害虫”へと進化し、再び牙を剥きつつある。音もなく忍び寄る恐怖の現場を探った。

殺虫剤を跳ね返す進化を遂げたスーパー害虫の実態


 ゴキブリ退治の切り札と言えばスプレー式の殺虫剤だが、近年、その殺虫剤が効かない「スーパーゴキブリ」が増殖中だ。知らぬ間にゴキブリは着々と進化を遂げているのか……。害虫駆除の現場を知るダスキンの担当者を直撃した。

ゴキブリ「確かに一部のゴキブリは殺虫剤が効きにくくなっています。現在の主な殺虫剤には、蚊取り線香の主原料である除虫菊の成分に似たピレスロイドという化学物質が含まれており、これがゴキブリに対して圧倒的な効果を発揮してきました。しかし、稀にこのピレスロイドへの抵抗性が非常に強い個体が存在するのです。種別でいうと、飲食店を中心に生息するチャバネゴキブリ。現場の実感としては、10%程度は抵抗性のある個体がいるのではないかという印象です」(ターミックス エリアマネージャー・西田悟氏)

⇒【写真】はコチラ ※閲覧注意「チャバネゴキブリ」
http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1151196


 ではなぜ、そのような個体が登場したのか……。殺虫剤大手のアース製薬・研究開発本部の林秀樹氏は、こう解説する。

「チャバネゴキブリは、家庭でよく見る大型のクロゴキブリに比べ、ライフサイクルが短く、繁殖力が強いことが特徴です。クロゴキブリは卵から生まれた幼虫が約8~12か月かけて成虫になるのに対し、チャバネゴキブリは約2~3か月。つまり、世代交代が激しいので、薬剤に対する抵抗性を継承していくスピードも速いのです。しかも、チャバネゴキブリが生息する飲食店はゴキブリをもっとも嫌う環境であり、常日頃から殺虫剤を使用していることが多い。その過酷な環境を生き延びた個体が次世代を産み、さらに生き延びた個体が次世代を産み……という繰り返しの中で、徐々に抵抗性が高まっていったのだと考えられます」

空き家

都心部に急増中の空き家は、ゴキブリの楽園。取り壊せば、大移動が始まる危険も

 今でも大抵の個体に殺虫剤は有効である上、ホウ酸ダンゴのような“毒餌系”の製品は変わらず効果的だという。しかし、この頼みの綱の“毒餌”にも天敵が現れているというのだ。

「以前は九州・沖縄など温暖な地域でしか生息していなかったワモンゴキブリを都内で見かけるようになりました。このワモンゴキブリは、クロゴキブリよりも一回り大きく、食欲が非常に旺盛。毒餌の効果は変わらないのですが、1つの餌を1~2匹で食べ尽くしてしまうため、一集団を駆除するのに大量の毒餌が必要になります」(西田氏)

⇒【写真】はコチラ ※閲覧注意「ワモンゴキブリ」
http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1151203


 ワモンゴキブリは一生のうちに80回以上も産卵(クロゴキブリは20回程度)するので、非常に繁殖力が強いのだ。

「ゴキブリの歴史は約3億年。それをひとつの薬で完璧にやっつけるというのは、正直なところ、難しい話です。ですから、毒餌はもちろん、スプレー式や燻煙式の殺虫剤など、状況に応じて殺虫剤を使い分けて応戦していくことで、駆除効果を高めていくことが重要です」(林氏)

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