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生き様を見せた“浪速のドブネズミ”吹本賢児――デスマッチに命をかける漢たち vol.3

 FREEDOMSのユニット「unchain」メンバー・藤田ミノルはこう言う。「プロレスの延長線上じゃない。もっと燃えたぎる闘いをしたい」。この日の吹本と葛西のシングルマッチは、確実にプロレスの延長線上ではなかった。私たちは一体、なにを見ているのだろう。分からない。でもこれを見なければ、生きている心地がしない。  吹本のキャッチフレーズは、“浪速のドブネズミ”。デスマッチがやりたくて大阪から上京し、でもそこには絶対的カリスマ・葛西純がいて、追いつきたくとも、超えたくとも、その土俵にすら立てない。そんなドブ鼠の生き様を映し出すデスマッチのリングというものは、なんて美しいのだろうと思った。 生き様を見せた“浪速のドブネズミ”吹本賢児――デスマッチに命をかける漢たち vol.3「葛西純を倒して、トップに立ちたいです。そのためには、自分の世界というものを作っていかなければいけない」――しかしあの日、私たちは既にその世界に惹き込まれていた。  吹本は気づいていないかも知れない。満場の葛西コールがいつしか、「吹本!」「フッキー!」という声援に変わりつつあったことに。葛西純がカリスマだとしても、決して、葛西純だけが正解ではないということに。 ⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1157569 生き様を見せた“浪速のドブネズミ”吹本賢児――デスマッチに命をかける漢たち vol.3 生き様を見せた“浪速のドブネズミ”吹本賢児――デスマッチに命をかける漢たち vol.3 生き様を見せた“浪速のドブネズミ”吹本賢児――デスマッチに命をかける漢たち vol.3<取材・文/尾崎ムギ子 撮影/安井信介> ■FREEDOMS:http://pw-freedoms.co.jp/ ■「unchain night!」8月11日(祝木) 新木場1stRING大会 開場18:30 開始19:00
尾崎ムギ子/ライター、編集者。リクルート、編集プロダクションを経て、フリー。2015年1月、“飯伏幸太vsヨシヒコ戦”の動画をきっかけにプロレスにのめり込む。初代タイガーマスクこと佐山サトルを応援する「佐山女子会(@sayama_joshi)」発起人。Twitter:@ozaki_mugiko
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