“レッスマニア10”ブレット対オーエン――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第150回
第1試合にラインナップされたブレット対オーエンのシングルマッチは20分26秒の持久戦の末、オーエンが兄ブレットから初のフォール勝ちをスコアした。じつの兄弟による因縁マッチというドラマ設定は難解なテーマではあったが、ニューヨークのマニア層はこの試合を“レッスルアニア10”の“裏メインイベント”というふうにとらえていた。
フィニッシュ・シーンではブレットがオーエンの肩の上に乗り、メキシコ式の前方回転エビ固めにトライしたが、オーエンがこれをリバースし、そのまま全体重をあずけて3カウントを奪った。ガーデンの観客は、オープニング・マッチにもかかわらずスタンディング・オベーションでこの試合に惜しみない拍手を送った。
“カルガリーの天才児”といわれながらもWWEのリングでは若手グループのワン・オブ・ゼムの立場に甘んじていたオーエンは、あえてヒールとしてのポジションを選択することでメインイベンターの仲間入りを果たし、ブレットはオーエンとのシングルマッチを通じてプロレスらしいプロレスをストレートに観客に訴えた。ブレットは“レッスルマニア10”を完全にコントロールしたのだった。(つづく)
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文/斎藤文彦 イラスト/おはつ
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