“レックス急行”ルーガーの一瞬の夏――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第142回
WWE首脳部はルーガーが“第2のホーガン”になってくれるものと本気で考え、ビンスもまたルーガーの“固有名詞”としてのポテンシャルをベター・ザン・ホーガンととらえた。いわゆるWASPでボディービルダー、ブロンドにブルー・アイのルーガーはたしかにビンスがイメージするところの完ぺきなチャンピオン像に近い“人材”だった。
夏のスーパーイベント“サマースラム”(1993年8月30日、ミシガン州オーバーンヒルズ、ザ・パレス)のメインイベントにはヨコヅナ対ルーガーのWWE世界ヘビー級選手権がラインナップされた。だれもが新チャンピオン誕生のシーンを予想した。
4月の“レッスルマニア9”でヨコヅナに敗れWWE世界王座を失ったブレットは「ベルトはしばらくヨコヅナに預けておく」と考えていたが、ビンスがルーガーを“サマースラム”の主役に抜てきしたことでブレットをとりまく状況は一変した。
ブレットは「オレはルーガーを認めない」と公言し、この異議申し立てをビンスにぶつけた。ブレットとビンスの衝突―和解―衝突の歴史はこの時代にはじまったのだった。(つづく)
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文/斎藤文彦 イラスト/おはつ
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