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静岡、岐阜、埼玉…地方を舞台にしたアニメが急増している理由

 なぜ、実在の風景を描くアニメ作品が近年急増の傾向にあるのだろうか? 「何気ない街の背景を一から描くのは大変です。最初はその風景を近場で済ませようと考えていたのでしょうが、作品がヒットしたら聖地と化す、という現象がここ10年くらいの間に急増しました。『らきすた』では埼玉の鷺宮神社が有名になり、ファンは“痛絵馬”を置きだして、神社もコラボしてというのが今のアニメ業界における町おこしブームの始まりだと考えられます」(芝村氏)  ひとくちに「聖地巡礼」と言っても、その背景はここ10年で変化している。 「『らきすた』や『けいおん!』の時はアニメ会社が自ら描いて聖地化していましたが、最近は明らかに町おこしありきで場所を決めている作品も。作中でわざわざ土地に言及したり、実際どれほど経済効果があるのかはわかりませんが、地方自治体からアプローチしたり、制作会社からアプローチされたら協力的に対応したりということが当たり前になりつつあるのではないでしょうか」(芝村氏)  今やアニメは世界の共通言語となり、交流の架け橋の一端を担うまでになった。そして日本のアニメは、国内の地方活性化の起爆剤としても期待されている。アニメをきっかけとした観光産業の盛り上がりに期待したい。 <取材・文/北村篤裕>
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