着々と準備が進む聖地・マラカナン。
五輪の開幕まで2日となったリオデジャネイロ。日本では
先日リポートでお伝えしたコパカバーナで、残念ながら日本人が強盗に遭うなどして、いっそうの”危機”が伝えられているが、記者は運がいいのか、ひったくりや強盗、その他の犯罪は一度も目にしていない。むしろ平穏な市民生活が営まれているといっていい。
そんななか、開会式を間近に控えた「マラカナンスタジアム」を訪れた。世界で最も有名なサッカースタジアムであり、五輪では開会式、サッカー、隣接する体育館「マラカナジーニョ」では女子バレーなどが行われる巨大な施設だ。
2年前のW杯では直前まで最寄り駅を作っていたり、周辺整備をしていたのが印象的だったスタジアムだ。
今回もその最寄駅「マラカナン駅」に降り立った記者。W杯のとき開幕に間に合わなかった壁画は、絵柄を変えることなく健在であった。懐かしさにしみじみしつつ出口を出ると、連絡通路にいきなりパトカーと警官や警備員が。通行する人に目を光らせる、というよりは和気藹々とおしゃべりを楽しむ警備員たち。「この周辺でのトラックの通行を禁じます」との大きな垂れ幕が出ているのはテロ対策だろう。最近ブラジルでは、IS関係者を名乗る者を発見、拘束したこともあって、開会式での厳重な警備は最重要課題だろう。
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マラカナン駅から出るとパトカーが。左はカートに乗る警備員たち
実は今回、開会式、閉会式のチケットを手にすることができた記者。今日は公式の券売所があるマラカナンでチケットを引き換える用事もあったのだ。
突如地面に大きな穴が!
券売所に向かおうとすると、スタジアム前の周回道路の横にぼっこりと大きな穴が。下水道の整備をしているらしいのだが、スタジアムの目の前、もっとも人が通る連絡通路から丸見えである。目を凝らすと数人の作業員がいるが、あと2日でフタがされるのだろうか?
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スタジアムに向かう連絡通路の下には巨大な穴が。下水道工事が行われていた
スタジアムに併設している券売所を訪れると、午前だというのにかなりの行列ができていた。ここでは事前にネットで予約、決済したチケットの受け取りのほか、多くの競技の前売りチケットも販売されている。
直射日光に照らされた券売所の行列。遅々として進まないブースも
行列に並ぶと、猛烈な日差しに照らされた。日除けがまったくなく、忍耐強さが求められる。プラチナチケットを手にするためならと自分を奮い立たせるが、暑いものは暑い。日本であれば仮設のテントなどを作るのだろうが、ここはブラジルである。
この券売所、防犯のため窓口が極端に小さいサッカー場に多い構造となっており、客は顔を突っ込むようにして、窓口の係員と会話をする。強化プラスチック板越しの会話はしづらいらしく、誰もが大声での会話となり実に賑やかだ。
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窓口が小さすぎる券売所。防犯上こうなっているが、顔を押し込まなくてはいけない
こうしないと聞こえない
並ぶこと30分、ようやく記者の番がきた。傷だらけの板の向こうの女性は「おはよう、おまたせしました」と快活に迎えてくれた。必要な書類を渡すと、パソコン端末に向き合う女性。ちょっと顔をしかめる女性。開会式のチケットがミスで発券できなったらコトだ。「だ、大丈夫ですか……?」恐る恐る聞くと「問題ないわ!」とニッコリ。
チケットをゲット。帰り道に慎重を期したことは言うまでもない
「ビックイベントを楽しんでね!」と言いながら手渡してくれたチケットを見ると、間違いなく開閉会式の印字がされ、自分の名前も刻まれていた。帰りはスタジアムの外周を一周してみたが、警備も多く、なおかつ施設も着々と準備がなされ、選手観客を迎える準備は万端に見えた。2年前の経験は大いに生きているようだ。
次回は、柔道や水泳、レスリングなどが行われるメイン会場「バーハ地区」のリポートをお送りします。
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マラカナン駅の裏にはファベーラ(スラム街)が
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「会期中のトラックは通行できません」。フランスのテロを意識してのものだろうか
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駅構内の壁画は変わらずあった
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隣接される体育館「マラカナジーニョ」(小さなマラカナンの意味)。バレーボールなどが行われる
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地元のタレントだろうか? リポートをしていた
取材・文・撮影/遠藤修哉(本誌)