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東京・昭島市 震災で不動産価格が高騰

◆ポスト震災[首都圏不動産選び]の新常識(7)

<分譲戸建て・マンションマーケティングのプロが分析する「ポスト震災パラダイム」>

 浦安などで発生した液状化被害は、不動産購入を検討中の顧客に大きなインパクトを与えた。こうした不動産に対する選好を見る指標として分譲戸建ての契約率があり、これが震災の前後で大きく変動していると、アトラクターズ・ラボ社のシニアコンサルタント松沢博氏は指摘する。 「弊社で集めているデータによると、首都圏での震災前の契約率は通常40%前後でした。それが千葉県では震災前の2月には60%で絶好調と呼べるものでしたが、4月には17%へ激減。対照的に東京の多摩地域は38%から58%へ跳ね上がっています」  この契約率をさらに自治体別にデータ化したのが、図である。

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アトラクターズ・ラボ調べ。戸建て分譲主要5社の4/1~5/9現在の契約率を集計。販売合計が5戸以下の市区は除外。20%以下を「不調」、30%以下を「やや不調」、40%以下を「調」40.1%以上を「絶好調」とした

「柏は、都心まで1時間弱ながら3000万円で一戸建てが買えるとあって浦安同様大人気でしたが、4月は動きが急に鈍化。浦安は液状化懸念のためですが、柏は液状化に加え、ネットで噂される放射能への心理的不安が大きいのでしょう。一方、東京都の液状化マップで安全と言われた武蔵野地域の東大和市、立川市、昭島市、八王子市が注目を集めています」  なかでもとりわけ動きが大きいのが昭島市。当地は東京都で唯一の100%地下水汲み上げの水道網を敷いており、放射性物質の混入が少なく「東京で一番安全な水」と言われていて、業界の熱視線を浴びているという。 「昭島市は大規模開発もなく、鉄道路線的にも決して便利とは言えない中途半端な場所で、1坪60万円以下でしたが、今や90万円を超すほどに高騰しています。今までは都心からの距離で不動産の価格が決まっていたんですが、震災後、さまざまな面で住宅選びの基準が変わってきたと言えるでしょう。これは業界にとって、ものすごいインパクトです」
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