スポーツ

感情が爆発! 閉会式はまさにリオのカーニバルだった

キャプ翼、ドラえもん、キティちゃん、そしてマリオに大喜び

 スクリーンに大写しになるキャプテン翼、ドラえもん、キティちゃん……その度に「うわぉ!」と驚きの声が上がり、写真や動画を撮りまくるブラジル人たち。後ろのお父さんは記者の肩を叩いて「ピカチュウ!ピカチュウ!」と握手を求めてくる。フィールド内に巨大な土管が運び込まれ、あの効果音とともに「マリオ」が登場した瞬間、歓声は最高潮に。一瞬誰だか分からなかったが、安倍晋三首相である。スクリーンに名前と肩書が出ると「おお!」とまたもや拍手が。
マリオ登場

地球の裏からのマリオ登場に大喜びのブラジル人。現地ニュース映像でもしきりに流れている

「TOKYO2020」の演出は概ね好評のようで、記者の周りの人達も「カッコイイね」「さすが、テクノロジーの国だね」と感想を述べてくる。
聖火が消える

いよいよ聖火が消える

 オリンピック委員の静かな挨拶が続いたあと、聖火が消えた。その寂しさを打ち破るように、サンバの楽器隊が入ってきて会場の雰囲気は一転。大爆音でのサンバ演奏、フィールドでは無数のダンサーが出てきて選手たちを踊りに誘う。頭上で花火が無数に上がり、祭りは最高潮に。リオっ子にはお馴染みの、往年のサンバカーニバルでの名曲が唄われる。
山車

巨大な山車も出てまさにカーニバル

「Aquarela Brasileira」という各州を次々と唄う、ブラジル讃歌では全員が立ち上がり、両手を上げて大合唱。ブラジル国旗を広げ踊る者、誰彼手を取り踊る者。まさにリオのカーニバルの雰囲気に圧倒される。周りでも涙ぐむブラジル人が、祭りの終わりの寂しさか記者も目頭が熱くなる。選手も演者も一体となって踊っていたが、日本人選手団も一緒に踊っている姿も印象的だった。
踊る

とにかく踊る、踊る

「治安や運営が不安」「ブラジル人の関心が低い」「史上最悪の五輪になるのでは?」と開催前はネガティブキャンペーンが張られていたリオ五輪だが、開幕するや、テロや大きなトラブルもなかった。そして連日のブラジル選手のメダルラッシュ。序盤はサッカー男子ブラジル代表の不調に悪口ばかり言っていたブラジル人だが、大会が進むに連れて街なかに黄色いユニフォーム姿の人が増えた。そして男子は因縁のドイツに聖地・マラカナンでリベンジを果たして優勝し「終わり良ければ全て良し」の雰囲気になっていった。
サッカーでドイツに勝っての金メダル

サッカーでドイツに勝っての金メダルで「大団円」だった

 大会後ブラジルはどうなるの? とブラジル人に聞くと「国は悪くなる」と言う人が多い。大会予算膨張による債務超過など、人ごととは思えない問題が山積みのようだ。一夜明けたリオの朝のニュースでは「次回開催都市の東京は、治安や施設、運営、そして伝統文化やテクノロジー、人は礼儀正しくで素晴らしい」と紹介されていたが見方を変えればそれだけなのではないだろうか? 人々の楽しもう、人を楽しませようというサービス精神。歌が始まれば全員で唄い、踊る。競技施設や地下鉄がギリギリで整ったりと、ハード面は東京よりははるかに貧弱だったかも知れないが、「五輪を楽しもう、楽しませよう」という「人々の力」や「ソフトの力」には差があると感じた17日間だった。
Valeu Carioca!

Valeu Carioca!(リオの人々ありがとう!)

取材・文・撮影/遠藤修哉(本誌)
―[リオ五輪]―
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