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今年も開催 「闇の支配者」による秘密会議

「陰のサミット」とも呼ばれる「ビルダーバーグ会議」が、6月9日よりスイスのサンモリッツで開かれている。   ――ビルダーバーグ会議。  日本のメディアはほとんど報じることもなたいため、日本人にはあまり馴染みもなく、陰謀論よりの国際政治マニアでないと知る人も少ないかもしれない。  しかし、この会議は1954年から毎年一回、欧米各国の王族や政府高官、財界の大物などを集めて、完全非公開で行われており、世界情勢に多大な影響を与えているのだ……。  なぜ「陰のサミット」などと呼ばれ、常に陰謀論とともに語られるのか?  それはこの会議が、恐ろしいほど排他的かつ極秘裏に行われているからだ。 「ビルダーバーグ会議の会場となるのは主に5つ星ホテルになります。第一回はオランダにあるビルダーバーグホテルで開かれました。それが名前の由来です。昨年はスペインのシェッチェスで開かれました。会議開催中のホテルは全館貸し切りとなり、もともとの従業員と入れ替えで専門のスタッフが入るほどの厳重さです。さらに、日本を始め、アジアや中東からの出席者はほとんどいません。かつてデビッド・ロックフェラーが、国際経済で影響力が増してきた日本の参加を打診したことがりますが、欧米貴族から却下されたといいます。日米欧三極会議が開かれるようになったのはその代替案だったといいます」(事情通)

報じ始める海外メディア

 日本では陰謀論者の戯言のように揶揄されることも多いビルダーバーグ会議だが、実は欧米では毎年メディアも取り上げる話題だ。  無論、欧米でも「陰謀論」的に取り上げられることが多い。  しかし、ここ最近は欧米の主要メディアも、スタンスの差こそあれ、ニュースとして取り上げ始めている。  英BBCでは、8日付けの記事で「Bilderberg mystery: Why do people believe in cabals?」(ビルダーバーグの謎 なぜ人々は秘密結社を信じるのか?)という見出しで取り上げている。陰謀論的な見方であることや、陰謀論的史観の問題点などを指摘しつつも、それでもこうした秘密会議の存在自体は見逃せない事実であることをそれとなく指摘している。  よりストレートに報じるメディアもある。  特に熱心なのは、イギリスの左派メディアである「Gurdian」紙。  毎年、チャーリー・スケルトンという記者が現地入りしてその様子を報じている。  また、開催地では「ANTI BILDERBERG」や「STOP NEW WORLD ORDER」などと書かれたプラカードや横断幕を掲げた市民団体のデモも行われるのが常となっている。
http://youtu.be/iSpsJIVX8nI 2010年のビルダーバーグ会議会場のスペイン、シッチェスで抗議行動を行う人々  

単なる「トンデモ」とはひと括りにできない

「確かに、欧米でも陰謀論の枠組みで見られることは多い。しかし、昨年の参加者を見ても、米政府の大番頭とも言われたヘンリー・キッシンジャーやFRB議長やオバマ政権下の経済諮問会議議長も務めたことがあるポール・ヴォルカー、世界銀行総裁のロバート・ゼーリック、ゴールドマンサックス社長のピーター・サザーランド、Google社長のエリック・シュミット、ビル・ゲイツなど世界経済に多大な影響を与えるメンバーが顔を連ねている。そのため、欧米のビジネスマンであれば、ビルダーバーグ会議と言われてまったく知らない人は少ない。また、有力なジャーナリストも参加しているにも関わらず、”何がそこで話されたか”、”誰が出席したか”については公式の発表はおろか、参加ジャーナリストによる報道も一切ない。こうしたことに対して問題視したり、影響力を恐れる人も多いのもまた事実です」  最近、福島第一原発の事故支援で駆けつけた、フランス原子力発電大手アレバの社長、アンヌ・ローベルジョンもまた、2010年のビルダーバーグ会議出席者なのもまた興味深い。  今年も「Guardian」紙を始め、欧米のブログメディアなどがビルダーバーグ会議の様子を報じ、反ビルダーバーグ会議団体やゲリラ的ジャーナリストの取材による”参加者名簿”も明らかになるだろう。  その錚々たる参加者を見てもなお、「陰謀論者の戯言」と一笑に付すか否かはあなた次第……である。 取材・文/Edward Takaya(本誌特約) 図解 世界「闇の支配者」
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