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東上線沿線が“危険地帯”になったワケ――東松山で16歳少年が殺害、川越はひったくり犯が暗躍…

ヒエラルキーは14歳から形成されている

――東上線エリアの不良グループは地元を出ないのでしょうか?  頭のいい不良はデリヘルを始めたり、東京に出たりするのですが、地元にとどまっているような無気力系不良たちはむしろその閉鎖的環境のなかで幅を利かせるんです。今回の事件を含め、このへんで窃盗や暴行を働いているのは彼らが中心。 東松山は坂戸や川越と違って夜の店も少なく、友人の親が営んでいるスナックに10代から入り浸るようになります。そこで地元のセンパイにかわいがってもらう。こうした不良グループのヒエラルキーは14歳のころから形成されています。

東上線の不良グループはこうして生まれる

 さらに、河本氏は東松山周辺の特殊な環境を以下のように話してくれた。 「東松山にはかつて工場が多く立地していて、ペルー人とブラジル人、それからスペイン人が多いんです。もともと期間工として来日していた彼らの子どもと地元の不良がつるんで10代の若者のギャング化が促進される。もう少し南の鶴ヶ島市には埼玉県内でも有数の中退率の高い高校があって、そこの中退組も加わって今回の事件を犯したような少年グループが形成されたんです」  河本氏曰く、坂戸市内のゲームセンターBや深夜の坂戸駅南口でこうしたグループを目撃している地元民は多いはずと語る。10代の若者同士の殺人事件と聞くと、LINEやSNSなどのネット社会を批判対象とする言説が目立つが、地域の特徴に目を向けると、新たに取り組むべき再発防止策が浮かび上がる。今はただ、このような凄惨な事件が再び繰り返されないことを祈るばかりだ。 <取材・文/日刊SPA!取材班>
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