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ディーゼルをどうとらえるかで観る側の“プロレス頭脳”が問われる――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第182回(1995年編)

WWEオフィシャル・パブ リシティ・フォト

WWE世界王者ディーゼル(ケビン・ナッシュ)は、ビンス・マクマホンが理想とす るところの、とびぬけてビッグガイで、正義の味方で、強さがわかりやすいニューヨーク・ニューヨークのチャンピオン像だった。(写真はWWEオフィシャル・パブ リシティ・フォト)

 とびぬけてビッグガイで、正義の味方=ファン・フェイバリットで、強さがわかりやすいこと。これがビンス・マクマホンが考えるところのニューヨークのチャンピオンの必須条件である。“ビッグ・ダディ・クール”ディーゼルのキャラクターはこの3つのリクワイアメント(必要なもの、資格、要求)をちゃんと満たしていた。  どのくらい大きければいいのかというと、マディソン・スクウェア・ガーデンのいちばん上のほうの座席から見下ろしてもその大きさがしっかりとわかるくらいのサイズ、ということらしい。主人公はやっぱりベビーフェースでなければならない。そして、みんな=WWEユニバースが十八番のシグナチャー・ムーブをわかっていてくれて、いつも“それ”を使って勝つこと。定番のパンチライン(キメの台詞)があったらなおいい。  チャンピオンの仕事は、観客をローターコースターに乗せ、ビックリさせたりドキドキさせたりして、最後は安心させ、ハッピーな気持ちでアリーナから送り出してあげることである。
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ディーゼルがはじめからスーパースターだったわけではない
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