“性倒錯キャラ”ゴールダストの主張――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第196回(1995年)
ゴールダストはゴールド・ダストGold Dust=砂金という単語から派生した造語で、そのキャラクターはハリウッド生まれのムービー・フリークという設定。入場シーンではアリーナの天井から金粉が降ってくるという手間のかかる演出が導入された。WWEはゴールダストの売り出しにかなりの予算をかけた。
得意技のレパートリーには有名なハリウッド映画のタイトルやキーワードが使われた。変形ネックブリーカードロップは“カーテンコール”で、急所蹴りは“シャッタード・ドリームズ”(破れた夢)。“ザ・オスカー”“ショック・トリートメント”(ショック療法)“ディレクターズ・カット”。なんでもない小技にも映画用語が用いられた。
父ローデスは“アメリカン・ドリーム”のほかに“スターダスト”(星くず=うっとりするような魅力)というもうひとつのニックネームを持っていたが、長男ダスティンのゴールダストというキャラクターはその“スター・ダスト”に対する痛烈な反発でもあったのだろう。
ゴールダストは“性倒錯キャラクター”であるとともに、じつは偉大すぎる父親からの自立――精神の解放――という普遍的なテーマを内包していたのだった。(つづく)
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文/斎藤文彦 イラスト/おはつ
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