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「葬儀代が払えないので親の遺体を放置した」報道に疑問。どんなに貧乏でも葬儀はできる

 意外と知らない通夜やお葬式でのマナー、業界の裏事情を綴った今、注目のサイト「考える葬儀屋さんのブログ」。「ライブドアブログ OF THE YEAR 2015」にも選ばれた同サイトの管理人・赤城啓昭氏に聞いた、恥をかかない今のうちに知っておきたいお葬式の常識とは――。人気連載の第10回をお届けします。  「考える葬儀屋さんのブログ」管理人の赤城啓昭と申します。  亡くなった親の遺体をそのまま放置した、もしくはどこかに捨てたというニュースを毎月のように目にするようになりました。捕まった容疑者の多くがこう言います。  「葬儀代が払えないので遺体を放置した」  本当でしょうか? 確かに初期の警察の取り調べに対してはそう答えたのでしょう。しかし、報道をよく読むと見出しには「葬儀代払えず親の遺体を遺棄」とあるのに、文中では「容疑者は親の死後も年金を不正に受給していた」と書かれていることよくあります。この「親の年金を不正受給するため」が親の遺体を遺棄した本当の理由ではないでしょうか?

親の年金をアテにする悪いヤツら

 高齢化したニートの中には親が受け取っている年金収入を当てにしている人がいるという話を聞きます。そういう人は親が亡くなってしまうと当然、親がもらっていた年金を受け取ることができなくなってしまいます。  親のお葬式を行うと当然、亡くなったことがばれてしまうので、どうしても親の遺体をそのままにせざるを得なかった、というケースが多いのではないでしょうか。そうなると「葬儀代が払えないので遺体を放置した」というのは苦しまぎれの嘘ということになります。  もし容疑者に「じゃあ、葬式にいくらかかると思ったの?」と尋ねたら、おそらくちゃんと答えられないでしょう。  ここ数年、こういったセンセーショナルな報道が繰り返されていますが、その結果、貧困層の読者の中には、親の遺体を遺棄しなければいけないほど葬式ってお金がかかるんだと誤解する人がふえているのではないでしょうか。このことを私は懸念しています。  では、貧困化が加速する現在、十分なたくわえがない人はどうやって親を見送ればいいのでしょう?
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貧困世帯はどう親を見送るべきか?
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