恋愛・結婚

妊活中の夫がやってはいけない「3つのNG行動」

公園

 あれは妻が何度目かの体外受精が失敗に終わった、その週末でした。よく晴れた日だったので、家に籠っていても嫌なことを思い出すだろうと、妻を公園に誘いました。これが土曜。次の日の日曜は、また別の、大きな池がある公園でボートを漕いで遊ぼう、と妻に提案したのです。  妻は「うん……」と言ったきり、布団から出ようとしません。筆者が着替えを済ませても、まだ布団のなか。そのため、「早く起きてよ!」と少し声を荒げてしまいました。すると、 「公園なんか行きたくない! ボートなんか乗りたくない! 子どものいるとこなんか行きたくない!」  布団からがばっと顔を出し、そう叫んだ妻。目は真っ赤に泣き腫らしていました。気晴らしに、と提案したことでしたが、すべては裏目に。思えば、土曜に行った公園で妻は、端の木々のほうに行き、上ばかり見ていたような気がします。それほどまでに彼女にとって親子連れの姿は、自らが手に入れることのできない眩しいものに映っていたのでしょう。  ここまで読んで「妊活夫は大変だあ!そこまで気を遣うの?」と思われた方もいるでしょう。しかしそれは違います。本当に大変なのは、身も心も治療で削っている女性です。奥様の心に寄り添い、笑顔にさせ、あすもクリニックに通う勇気を与える。最低限にして最大、これが妊活夫にできることなのかもしれません。 【村橋ゴロー】 1972年生まれ。ほとんどの家事とまあまあの育児をこなす、自宅防衛系ライター・コラムニスト。千原ジュニアや田村淳など芸人連載の構成を手掛ける。近著に『俺たち妊活部「パパになりたい!」男たち101人の本音』(主婦の友社刊)
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俺たち妊活部―「パパになりたい!」男たち101人の本音

借金まみれのどん底ライターが妻と挑んだ、涙と笑いの妊活記録

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