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レーザー・ラモンとディーゼルが突然WWE退団へ――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第214回(1996年編)

 3月第1週、こんどはディーゼルことケビン・ナッシュのWWE退団―WCW移籍が明らかになり、WWEは3月5日付で「“ビッグ・ダディ・クール”ディーゼルが6月1日に退団」とプレス・リリースを発表した。  3.31“レッスルマニア12”にはディーゼル対アンダーテイカーのシングルマッチがラインナップされていたが、ディーゼルの退団が先にニュースになってしまったことで因縁ドラマの完全決着戦が“消化試合”となってしまった。  ショーンがビンスとの“密室のミーティング”をくり返し、ディーゼルとラモン――というよりもナッシュとホール――がWCW移籍を希望したことで結果的にクリックは分裂。キッドとトリプルHのふたりもそれぞれに決断を迫られた。  キッドはそれから数カ月後、兄貴分のナッシュとホールを追ってWCWへ移籍。いっぽう、ショーンとともにWWE残留を選択したトリプルHは“主流派グループ”のひとりとしてその発言力をいっきに強めていくことになる。  これまで“交渉グループ”として機能していたクリックが分裂したことで、ビンスのなかでの人選は現WWE世界王者ブレットから“新しい選択”ショーンへと傾いていった。  ナッシュとホールというふたりのキーパーソンのライバル団体への移籍は、WWE対WCWの“月曜TVウォーズ”のまったく新しい局面を意味していた。(つづく)
斎藤文彦

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