スポーツ

ビンスの選択は“ヒットマン”Or“HBK”?――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第221回(1996年編)

 ビンスのなかには「チャンピオンにはチャンピオンらしいリングコスチュームがある」というもうひとつの持論があった。これはビンスが父ビンス・マクマホン・シニアから受け継いだ“ニューヨークの常識”で、マディソン・スクウェア・ガーデンのリングに登場するチャンピオンは“ブレッド&バター”でなければならないというビジュアル面でのひとつのスタンダードを指していた。  “ブレッド&バター”とはショートタイツとリングシューズのことで、ブルーノもバックランドもホーガンも、コスチュームそのものはきわめてシンプルなショートタイツとリングシューズを身につけていた。  ブレットのイメージカラーは黒とピンクで、試合用の衣装はカルガリー・スタイルのシングレット&ロングタイツの組み合わせ。ショーンもショートタイツではなく極彩色のロングタイツを愛用していた。ふたりのリングコスチュームがビンスが考えるところの“ブレッド&バター”の定義から外れていたこともビンスの決断を鈍らせた。3.31“レッスルマニア12”は数週間後に迫っていた。(つづく)
斎藤文彦

斎藤文彦

※この連載は月~金で毎日更新されます 文/斎藤文彦 イラスト/おはつ ※斎藤文彦さんへの質問メールは、こちら(https://nikkan-spa.jp/inquiry)に! 件名に「フミ斎藤のプロレス講座」と書いたうえで、お送りください。
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