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葬儀屋さんが驚いた「現実にはありえないドラマの葬儀シーン」

いつの間にか屋内に幕が

 お葬式のシーンで室内に白黒の縦縞模様の幕が張っているのを見た方は多いでしょう。あれは鯨幕(くじらまく)と呼ばれます。白と黒のツートンカラーが鯨を連想させるからでしょう。ちなみに最近の都市部のお葬式ではあの鯨幕はほとんど使用されません。  住宅事情が原因で自宅でのお葬式というものがほとんど行われないからです。実はこの鯨幕、建物の室内ではなく、外側の壁に張るのが本来の正しい使い方です。それがいつのまにか、お葬式の記号として使うために、常にカメラに映っている屋内に張られるようになったのでは、と推測します。

お葬式なのに祭壇に棺が……

 また、我々葬儀屋さんも実際の葬儀屋さんの役で画面に映り込むことがあるのですが、そのときは作業用のブルゾンを着たまま出演させられることがあります。実際の式中は黒服を着ているのですが、それでは(司会用マイクを持ったりしない限り)参列者と見分けがつかないため、違う格好をしてくれというリクエストがあるのです。  一番ヒドかったのは、家族が見る時間帯のドラマで、お葬式のシーンなのに祭壇に棺を置かなかった、というケース。どうも棺が生々しい印象を与えてしまうからという理由だったのですが、故人のいないお葬式って……。  あれ、視聴者の方は不自然に思わなかったのでしょうか? <文/赤城啓昭> 【赤城啓昭】 葬儀社に15年以上勤務し、業界内部を知り尽くしたその道のプロ。業務内容はお葬式の担当と葬儀・葬儀業界の分析。Twitterアカウントは@kangaerusougiya。「ライブドアブログ OF THE YEAR 2015」にも選ばれ、月間45万PVを突破した「考える葬儀屋さんのブログ」も日々更新中
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